片づけしすぎると、子どもの才能を伸ばすのを妨げる!?「散らかった部屋」の意外なメリットとは
お気に入りの作品ができたときは数日間そのままにしておくことも
プラレールのレイアウトで大作ができたときには、夕食前の片づけもせずに2~3日そのままにしておくこともありました。毎日片づけさせてしまうと、ある程度の大きさのレイアウトしかできないからです。そのままにしておけば、翌日、さらに線路を足したりして、レイアウトをどんどん拡張できます。 当時住んでいた家はとても狭かったので、気づくと線路の端が廊下や玄関、洗面所などに広がっていることもよくありました。それをまたいで生活しなければいけないのは大変でしたし、2、3日掃除ができずホコリがフワフワ舞っていたこともありました。 「そんなに拡大してしまったら、子どもが片づけさせてくれないのでは?」と思うかもしれませんが、ドアの開け閉めに支障をきたすことや、掃除機をかけられないことがわかったのか、「お掃除できないから、一度お片づけしようか?」とひと言かければ素直に解体してくれました。満足するまで創作し心が満たされれば、親の気持ちも理解してくれるようになるのではないでしょうか。 ここでは、プラレールを例に挙げましたが、これはブロックでも工作でも同じです。 出しっ放しというと、だらしないと感じるかもしれませんが、興味のあるものが目につくところにあると、気が向けばすぐに創作を再開できますし、スマホやゲーム、テレビなどのスクリーンに時間を奪われることが格段に減るというメリットもあります。 子どもがユーチューブばかり観ていて困るという問題の裏には、親が「片づけなさい」と言いすぎることがあるのかもしれませんね。 次回は、『おもちゃの収納は「大雑把」が正解』というお話をご紹介。 子どもの創造力を奪う原因になってしまう収納方法とは?
〈著者プロフィール〉高松 ますみ(たかまつ・ますみ)
株式会社スパークリングキッズ代表取締役。元夫の赴任先、米国・バージニア州で出産と子育てを経験。アメリカのハイクラス家庭が実践する「子どもを尊重する子育て」に感銘を受け、その考え方を学び体系化する。帰国後は協調性や自制心が重視される日本社会でも通じるよう、アメリカ式の子育てをアレンジした独自の子育てを実践。その結果、英才教育をいっさい施すことなく、長女は単身でアメリカの高校に留学し、2年連続で「全米優秀生徒賞」を受賞。その後全米No.1の公立大学「カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)」に特待生として進学。長男は早稲田大学入学後、交換留学生としてUCLAで学ぶかたわら、バックパッカーとして世界中を旅した。 自身は、長男6歳、長女2歳のときに離婚を経験。以来20年間シングルマザーとして、英会話教室経営や元F1ドライバー片山右京氏主催のチャレンジスクールのマネージャーなどの仕事をしながら女手ひとつで2人の子育てを行ってきた。 一方で、仕事を通じて多くの親子と関わりができ、自身の子育て法をもとにしたアドバイスを行うようになる。それが評判となったことがきっかけで、潜在的な生きる力を体系的にはぐくむ子育て法、「マミーメソッド」(R)を確立。2020年にそのノウハウをより多くの人に役立ててもらおうと、株式会社スパークリングキッズを設立。SNSと口コミだけで評判が広がり、国内外から多数の受講者が殺到。これまで延べ1万人以上の親子の悩みを解決してきた。
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