【記録レビュー】復活の巨人・菅野 35歳以上2リーグ制以降初の15勝&防御率1点台を記録
個人成績とデータで各球団の今季を振り返る連載企画「24年12球団記録レビュー」。第1回は4年ぶりにリーグ優勝を果たした巨人から復活したMVP右腕・菅野智之投手(35)を取り上げる。 4年ぶりの頂点はエース・菅野の復活なくしてはありえなかったと言っていいだろう。今季は15勝3敗、防御率1・67。特に敵地では4月4日の中日戦から、9月10日の広島戦まで10連勝するなど、存在感を見せつけた。昨年の4勝から完全復活、個人で12の貯金は両リーグ最多。チームの貯金18(77勝59敗7分け)の3分の2を1人で稼いだ計算になる。 シーズン15勝以上は18年(15勝)以来6年ぶり3度目。巨人では通算38人、99度目だが、35歳シーズン以上に限ると藤本英雄(53年=35歳、17勝6敗、防御率2・08)、中尾碩志(54年=35歳、15勝5敗、防御率2・59、55年=36歳、16勝9敗、防御率2・11)に次いで69年ぶり3人目。35歳以上で15勝以上&防御率1点台は1リーグ時代の若林忠志(神=43年=35歳、24勝15敗、防御率1・06、44年=36歳、22勝4敗、防御率1・56)以来80年ぶり2人目、2リーグ制以降では初の快挙となった。 球団投手最多の3度目のMVPは当然の結果だった。来季メジャー挑戦を表明し、球団歴代9位の通算136勝の実績を引っ提げて海を渡る。日本一奪回を狙う巨人としては小さい穴ではないが、戸郷や山崎伊、井上ら若手のさらなる成長に期待しながら、夢を追うオールドルーキーの奮投を見守りたい。(記録課・八田 朝尊)