『おじさん図鑑』著者が見た石破茂の「悲しげな表情」「どうしていつも能面みたいに同じ顔をしているんですか?」の問いに…
「おじさんを見ると絵に描きたくなる」「おじさんの哀愁は、絵にすると何ともいい味を出してくれる」。そんな思いで高校生、美大生の頃から描き続け、2011年に著書『おじさん図鑑』(小学館)がベストセラーとなったイラストレーターのなかむらるみさん。2013年には、24人のおじさんを取材してその多様な生きかたを活写した『おじさん追跡日記』を刊行。大トリを飾ったのは石破茂さんだった。今は電子書籍で読むことができるこの本から、石破さんの章を公開。 【画像】「何でわたしなの?」と状況がよくわからないながらも、質問すべてに丁寧に答えてくれた石破さん。 ★★★ 政治家のおじさんってどんなだろう? なかでも石破さんは絵に描いてみたいと思っていたので、ダメもとで取材をお願いしてみたら、なんとOKをいただいた。ただ、超多忙のため時間は20分! ドキドキしながら永田町にある自民党本部を訪れた。
いざ自民党本部へ!
入り口には数人の警察官や警備員が立っていて、緊張感がある。警備員も、わたしがいつも絵にしているようなのんびりしたおじさんではなく、目に鋭さがある。うろうろしてたら声をかけられたので、記念撮影をしてもいいか聞いてみると、「あっちがよくテレビとかに出るところですよ」と親切に教えてくれた。 指定の時刻にはまだ早かったので、1階で待つ。ガラスケースのなかに直筆の色紙が飾ってあった。安倍総理が達筆だ。石破さんも上手だが、断トツで細い! 繊細さが表れているような気がした。政治家になると字まで見られるから大変だ。 約束の時間になったのでエレベーターで幹事長室のある階へ。エレベーターを降りると赤い絨毯が広がっていた。緊張感が高まる。5分くらい別室で待ってから、ついに石破さんとご対面! 時間も限られているのでさっそく質問を始めた。 実際会うまで、質問しても無駄なことは答えてくれないのではないかと心配していたが、そうでもない。「酒は小学1年の頃から親父に飲まされた」とか、書いちゃいけなそうなことも、話してくれた。