断熱等級6の100平米の家、電気代は夏でも月平均1万円以下で売電収入も! エアコン1台で「一年中春のよう」 東京都・Yさん夫妻【断熱新時代・住宅実例】
2階の階段上部にあるスリット窓。断熱性が高いタイプを使っているため、ここから熱が逃げにくい。自然光が入り心地よい。
2階にあるニッチ。高さ、奥行き、場所まで細かく指定してつくってもらった。
階段下から見上げたところ。階段の脇を壁にせず、くり抜いたことで、1階にいても光がまわる設計。これも妻の要望によりかなったもの。
間取りでもうひとつ特徴的なのは2階でお風呂と洗面が一直線になっていること。扉をあけると寝室、洗面、脱衣場がひとつの空間になります。これも温度・湿度にムラがないからこそかなった設計といっていいでしょう。また洗面所は、二人の生活時間を考えて、ツインボウルを採用しています。 「来客に驚かれるのがこの洗面所と脱衣所ですね。『普通の間取りと思ったら大胆(笑)』って言われるんです。脱衣所に壁や扉がなくて、ほぼスルー。お風呂まで自然光がまわっていいでしょう」とうれしそう。
余談ですが、室内の空調が安定していることにより、洗濯物は「室内干し」に転向したのだそう。 「もともと外干しする設定だったんですが、室内干しを設置してもらったら、これが便利で。今はすっかり室内干しになりました。洗濯物があるので、ちょっと湿度があがるな、くらいでしょうか。でも、外干しと比べて室内干しのほうが、1年安定してしっかり乾くし、心地いい。生乾きすることもないし。おすすめです」と夫。 現在、夫妻がすすめているのは住まいの緑化・グリーン計画。 「室内にインドアグリーンを増やしています。仕事の合間、気分転換に緑のお手入れがちょうどよくて。温度差がなくて安定しているから、植物を育てるにもちょうどいいんですよ。ドライフラワーもうまくいったし、これから増やしていければいいですね」と妻はいいます。 暑い、寒いという「温度ストレス」から開放された夫妻、「1年中、春」という快適な家で、仕事と日々の暮らしを思う存分楽しんでいるようです。 私たちは暑さや寒さを当たり前だと思っていますが、実は非常に強い「温度ストレス」を感じているのかもしれません。地球にも家計にも、心身の健康にもメリットがあり、高断熱・高気密の住まいでの暮らしを体感したらもう戻れない。「住まいの当たり前」が大きく大きく変わっていきそうです。 ●取材協力 Yさん夫妻 八幡(設計・施工会社)
嘉屋 恭子
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