断熱等級6の100平米の家、電気代は夏でも月平均1万円以下で売電収入も! エアコン1台で「一年中春のよう」 東京都・Yさん夫妻【断熱新時代・住宅実例】
電気料金の値上げや省エネ効果、家族の健康などの理由で、住まいの断熱性能や気密性の向上に関心を寄せる人が増えています。では、高気密・高断熱の住まいの暮らしとは、どのようなものなのでしょうか。今回は、東京都内にZEH水準よりも上の断熱等級6(※)の住まいを建て、夫妻ともに在宅勤務というYさんご夫妻に取材。どのような理由で家を建てたのか、暮らしぶりや1年の電気代まで、赤裸々に聞いてきました。 ※断熱等級/断熱等性能等級6:2022年10月に新設された、HEAT20のG2レベルの基準を満たす断熱性能
とにかく寒い家がイヤ。目指したのは温度ムラがない暖かい家
東京都西部の住宅街にお住まいのYさん夫妻。2022年に断熱等級6(東京ゼロエミ水準3)にあたるUA値0.42W/m2・K(※1)、C値0.28cm2/m2(※2)というお住まいを建てて、暮らしています。断熱等級6は、HEAT20G2(※3)に相当し、欧州の断熱水準とも肩を並べられるものです。まずは、断熱性と気密性にこだわった理由から聞いてみましょう。
※3:HEAT20…「20年先を見据えた日本の高断熱住宅研究会」のこと。住宅外皮水準のレベル別にG1~G3と設定し、提案している
「以前は神奈川県川崎市の賃貸住宅住まいでしたが、冬はすごく寒い。日当たりはすごくよかったんですが、とにかくすきま風が入ってきて寒かったんです」と夫は話します。 妻はというと、「留学先で暖かい家の暮らしを体験したことが大きかったですね。どんなに安いアパートでもセントラルヒーティング(※)で家のなかに寒いところがない。でも、日本に帰ってきたら、当然のようにトイレやお風呂に温度差があって、換気口からがすきま風が入ってくる。これがとにかくイヤで。だから自分で家を建てるときは、暖かい家にしたい。それはぜったいに譲れませんでした」と理由を明かします。 ※セントラルヒーティング:建築物の1カ所(地下室や屋上、機械室など)にボイラー等の熱源装置を設置し、温風や蒸気などをパイプを通して各室に送り込む方式
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