女子フィギュア混沌メダル争いの焦点は回転不足の修正力
「SPで5位以内、悪くとも6位以内につけ、上位との点差を5点以内に。これが最低の条件ですね。宮原さんの課題は、3回転ジャンプの回転不足判定の部分です。意識過剰に修正して全体のリズムを崩してしまう必要はないと考えますが、テクニカルパネル(審判団)は団体戦と同じなので、微調整は必要かもしれません。団体戦を経験したことによる、このくらいなら回転不足になるんだという体感はかなり良い経験になっていると思います。宮原さんの表現力豊かなプログラムコンポーネンツへの評価はトップクラスですので、そこさえクリアできれば安定した得点が期待できると思いますが、コストナーもプログラムコンポーネンツで高い評価を持っています。 団体戦のSP、FSでは、コストナー、オズモンド、デールマンの3選手共に回転不足をとられています。どの選手が修正に成功するかが、意外と勝敗を分けるかもしれません。 坂本さんには、全日本、四大陸と、驚くほどのスピードで急成長してきた勢いに期待したいですね。団体ではミスが出ましたが、経験という意味で五輪の雰囲気もわかったでしょう。坂本さんのジャンプの高さ、滞空時間、そしてクリアなランディング。すべてが男子選手並みのスケールを誇ります。団体戦のFSでは冒頭の3回転フリップが回転不足、3回転ルッツにアテンション(軽度のエラー)が付きました。ルッツには若干課題を抱えていますが、本来はジャンプがクリアな選手です。四大陸の優勝でプログラムコンポーネンツに対する国際的な評価が上がっているのもプラス面でしょうね」 中庭氏が指摘するように回転不足の修正がひとつのポイントになるのかもしれない。 団体SPでは宮原は冒頭の3回転ルッツ+3回転トゥループで2つともに回転不足を取られ、基礎点が70パーセントに減点されGOE(出来栄え点)もマイナス1.20点だった。だが、SPではコストナーも3回転フリップ+3回転トゥループの連続ジャンプでセカンドジャンプが回転不足の判定を受け、オズモンドも同じ構成の連続ジャンプでセカンドジャンプが回転不足の判定、続く3回転ルッツにもアテンションがついた。団体FSにも出場しているコストナーは、そこでも3連続ジャンプと、ダブルアクセルで回転不足をとられ、デールマンも3回転ルッツに回転不足の判定があった。