“大谷翔平選手を超える”避難所生活の野球少年 能登半島地震から半年
斎藤キャスター 「竜佑さんにお店たたむことは伝えたんですか?」 竜佑さんの父 濱野由輝さん 「今はもうやめるとは言っていますけど、『じいちゃんの作ったおすし食べたい』とか、『父ちゃんの作ったからあげ食べたい』とか。今でもずっと食べたい食べたいと言っていますけど」 斎藤キャスター 「竜佑くんが野球をやる姿はどう見ていますか?」 竜佑さんの父 濱野由輝さん 「野球をやる姿というか、やはり好きなことを一生懸命やっている姿を見ると、自分もほっとしますし、自分の力にもなりますし。ケガせんと楽しんでやってもらえればなというのがやっぱり一番」
父を支えているのは、好きなことに打ち込む息子の姿です。 斎藤キャスター 「竜佑さんにとって野球はどんな存在ですか?」 濱野竜佑さん 「楽しいし、自分が生きていく上で大切なものだと思います。何をすればいいかわからない、野球をしなかったら」 斎藤キャスター 「野球があって良かった?」 濱野竜佑さん 「はい」 大変な生活の中でも、自分と家族を支えてくれる野球。 斎藤キャスター 「腕がここ(腕の付け根から)からじゃなくて、ここ(体の中心)から付いているイメージ。ここ(体の中心から)から動かす感じ、そうそうそう」 濱野竜佑さん 「(斎藤キャスターの球を受けて)めっちゃ良い球」
避難所生活が続いてまもなく半年。避難所の壁に書かれた竜佑さんの夢。それは大谷翔平選手を超えるメジャーリーガーになることです。 斎藤キャスター 「よっしゃ、最後…ナイスボール!」 避難生活が続く中、竜佑さんは今日も野球に打ち込みます。
■斎藤キャスターが現地取材を通して感じたこととは
斎藤キャスター 「7月1日、新たに発表された情報によると、石川県では299人の方が亡くなりました。(手続き中の災害関連死含む)お父さんの由輝さんはおすし屋さんで仕込み中に被災して、一瞬で生活の基盤を失ってしまいました。もしそれが自分のこと、自分が最も大切にしているものと考えるならば、それは野球ですが、それが奪われてしまったらと考えると、とても恐怖を感じました。ただ、家族のためにも前に進まないといけない…由輝さんの気持ちを想像すると、本当につらいです。その一方で、またおすし屋さんをやりたいと話していました。そういう日が来てほしいと、僕は願っています」 森圭介キャスター 「由輝さんの胸の内を察すると、こちらの胸も苦しくなりますけれども、そんな由輝さんの支えとなっている竜佑さんの野球に打ち込む姿を見て、斎藤キャスターはどんなことを感じましたか?」 斎藤キャスター 「竜佑さんはグラウンドだけではなく、避難所でもみんなで野球をやっていました。そのときの笑顔が印象的でした。大変な状況の中で野球が誰かの支えになっている。野球に携わってきた人間として純粋にうれしかったです。このあとも野球を続けて夢を大切にしてほしいと思います」