新規感染者「1日50人以下という話ある」 変異ウイルスへの備えで大曲氏―東京都
東京都は18日、都内の新型コロナウイルスの「感染状況」や「医療提供体制」を専門家らが分析・評価する「モニタリング会議」を開いた。会議で、国立国際医療研究センター病院の大曲貴夫(のりお)国際感染症センター長は、英国や南アフリカで確認されている変異ウイルスについて「従来株に比べて感染力が強いのが問題になっており、今後現状より急速に感染拡大するリスクがある。新規陽性者数を十分に減少させたうえで、変異株による再度増加の局面を確実にとらえて、変異株の流行伝播を徹底的に封じ込めることが重要」だと話した。
会議後、取材に応じた大曲氏は、変異株の流行に備えるために1日当たりの新規感染者を何人程度に抑える必要があるかと問われ「いろんな方の意見がある」としたうえで「変異株いまのところ報告が少ないが、それが増えてくるかどうかの端緒をつかむというところになるとやはり(1日当たり)50以下くらいじゃないかという話がある」と語った。 会議内で大曲氏は、過去1週間における1日当たりの新規感染者数の平均人数について、2月9日時点で523.6人だったのが2月17日時点では346.7人に減ったこと報告。前の週からの増加比は約70%と減っているものの「依然として高い」と述べた。 引き続き増加比70%が2週間続けば1週間平均は約170人に、4週間維持されれば1週間平均は約83人になると説明。大曲氏は「こうなれば、保健所の積極的疫学調査の体制、あるいは医療提供体制を改善させ、持続的な感染拡大の防止対策につながることが期待できる。早期にクラスターを発見して、封じ込め対策を積極的に行うには、新規陽性者数をできる限り減少させる必要がある」「再拡大を防ぐには、新規陽性者数が減少している現時点が重要な時期」とも語った。