エレベーターに乗った順と受付順の“逆転現象”にモヤモヤ 明確なルールなく「先に乗った順に受付すべき」「降りた順でも問題ない」見解割れる
飲食店やクリニックなどが入るテナントビル。1階のエレベーターで複数人が待つ中、一番先に乗り込んだものの、後から乗ってきた人が目的階で先に降りて、自分の受付は最後だった──。こうした体験をした人は少なくないだろう。 【写真】背中がゾワゾワする、怖くて後ろを向けないという人も… シースルータイプのエレベーター
このエレベーターに乗った順番と受付の順番の「逆転」に、不満を持つ人もいる。だが、「乗った順=受付順」という明確なルールはなく、その見解は分かれているようだ。「守るべき」「守る必要がない」それぞれの立場の人たちに、言い分を聞いた。
最初に乗ったのに受付は最後になり「ソンした気持ち」
メーカー勤務の20代・男性Aさんは、ネットカフェや飲食店など「満席」になって待つ必要があるような店の場合、「後から乗った人に先に受付されると、少し気落ちします」と嘆く。 「ビルの1階でエレベーター待ちの最前にいたし、乗ったのも最初。それなのに降りる時には、降りる順番待ち、最後になることになります。そうすると、受付の順番もそのまま最後になるんです。一番手を逃したことで、満席で待ち時間が発生したら、本来ならスムーズに入れたのに……とソンした気持ちになります。 自分が先にエレベーターに乗ったのだから、受付も先にできる権利があると思うんですよね。僕が先に待っていたんだから、後から乗って来た人が譲ってくれるべきだと思うのはわがままですか?」
最後に乗ってきた親子がさっと受付…
IT企業勤務の30代女性・Bさんも、エレベーターに自分より後から乗った人が、先に受付を済ませることに納得がいかない派だ。 「エレベーターが開いたら、すぐに受付というようなタイプのクリニックに行った時のことです。1階でいちばん最初にエレベーターに乗ったら、後から親子ともう1人がぞろぞろと入ってきて、私は奥に追いやられる形になりました。 4階のクリニックに到着したら、親子がさっと降りて受付で手続きを始めたんです。気遣いがない人たちだなと思いました。私は心が狭いのでしょうか」
「自分が先だったと言うなら、一声かければ?」
40代女性・Cさんは、こうした乗り順と受付順について「そこまで気にしていない」と意外に感じるという。 「エレベーターに後から乗って、『先に受付をしてやろう』みたいなずるい魂胆の人は少ないのでは……。後から乗った場合、単純にドアに近かったから先に出て、受付に向かっただけの人も多いと思います。私なら、そうしてしまいそう。そんなにイヤな気持ちになっている人がいるなんて思いもしませんでした」 ただしCさんは、「ケース・バイ・ケース」だとも言う。 「たとえば座席に限りがある飲食店なら、乗り順を多少気にするかもしれませんが、それ以外だと別に大差ないのでは。もし、『自分が先に受け付けされるべき』だと言うなら、受付の前に一声かけてくれればいいと思います」(Cさん) エレベーターに「乗った順=受付順」を守るか否か。明確なルールやコンセンサスがないだけに、黙って乗っている箱の中では、それぞれの思惑が渦巻いているのかもしれない。(了)