JBCに勝訴!賠償金4550万円を勝ち取り亀田興毅氏は安堵、涙、そして静かに吠えた「関わったJBC理事の全員辞職がボクシング界の改革に重要」
興行を行う協会サイドは、JBCの破綻に備え、理事の承認を受けた上で”暫定JBC”で乗り切る考えもあるが、1952年に創設され、世界的に信用、信頼のあるJBCを潰すようなことをしてはならないだろう。 この日、北村弁護士は、そのJBCの破綻問題について、「本来は、JBCが考えるべきことだが。この金額をなんらかの方法で速やかに賠償されて、かつ違法行為を行った方々が辞任をされれば今後の活動は十分できるんじゃないか。財政の問題とガバナンスの問題は別に考える必要があるが、5500万円前後であれば、今後のJBCに託して資金出資するところがないという金額ではない、というのが外から見た考え」という見解を口にした。亀田サイドにしても、求めるのはガバナンスを含めた改革であってJBC消滅は本意ではない。 JBCのある幹部は「絶対に大丈夫。つぶれない。金は集める」と豪語。昨年、地裁から出された和解勧告の額が4000万円だったことから関連企業から資金調達のメドを立てようとしていたという情報もある。北村弁護士が言うように資金調達ができれば、JBC消滅の最悪事態だけは、回避できそうな方向だが、それは一時しのぎに過ぎず、慢性的な赤字体質から抜け出すためには、この亀田裁判敗訴をきっかけに抜本的改革に乗り出す必要がある。 ボクシング関係者の間からは、「このままなら、いずれ破綻する可能性もある。亀田サイドは、ガバナンスの整備、全員辞任を訴えたそうだが、人件費を削るなり、組織の経済的な構造基盤を立て直す必要がある」との声も出ている。 亀田氏の訴えの通り、JBCは、今回の違法処分にかかわった理事長、事務局長が辞任をした上で、控訴、亀田サイドの理解を得て”高裁和解”の方向に持ち込み、減額を勝ち取ることが、JBCが生き残るための唯一の手段なのかもしれない。 最後に亀田家の名誉回復のため興毅氏が会見で残したコメントを紹介しておきたい。 「6年前くらいに、こういう処分をされて、JBC職員の方から監禁恫喝の訴えを起こされて勝訴したんですが、世間的イメージのところでのダメージが大きい。亀田家って悪の化身のように思われているんですよね。自分は引退して仕事をする中でいろんな人に逢うたびに『敬語使えるんだ?』『イメージと違う』と100%の確率で言われる(笑)。そこまで亀田家は悪い人間じゃないですよ、と、亀田家の名誉のために言っておきたいな」 (文責・本郷陽一/論スポ、スポーツタイムズ通信社)