<センバツ・夢へ続け!>柴田・支える人たち 部員の体調、万全に 24時間、温かく見守る寮父 /宮城
普通科と体育科を併設する公立高校で、県内各地から生徒が集まる柴田には、運動部員のための男子寮「桜川(おうせん)寮」(柴田町)がある。寮父の国分正雅(まさのり)さん(62)は、夜まで練習に励む野球部員を温かく見守っている。 学校から徒歩1、2分の場所にある2階建ての白い建物が桜川寮。部員32人のうち6人が暮らし、陸上部と剣道部の生徒と合わせて計12人が住む。国分さんは妻(56)と2人で寮を管理している。 朝は午前5時に起床し、6時から朝食の準備を始める。寮生の登校後はトイレや風呂の掃除、食材の買い出しを済ませ、午後5時から夕食の支度に取りかかる。さまざまな運動部で活躍する生徒は朝早くから練習に出かけ、戻って来るのは午後8時過ぎ。寮父の仕事は「24時間勤務です」。夕食の準備をしながら帰寮を待ち、食堂では「ご飯いっぱい食ったか? お代わりしていいよ」と育ち盛りの生徒に声をかける。 国分さんは福島県出身で、施工業の会社を約25年間経営した。工事現場にも立っていたが、体調を崩し、続けるのが難しくなった。新しい仕事を探していた時に寮の管理人の求人を知り、2018年8月から働き始めた。 朝食の時間までに起きない寮生がいたら部屋のドアをノックしたり、午後11時の消灯時間を過ぎても物音が聞こえたり。「これまではモノが相手の仕事だったのが、高校生が相手になって大変です」と笑いながら話す。 「本番までは新型コロナや風邪には気を使う」と部員の体調を気にかける。3月19日に開幕するセンバツは寮のテレビで観戦する予定だ。球場には駆け付けられなくても「気持ちは甲子園に行っています」。【面川美栄】=随時掲載