「相続は家族をバラバラにすることも、人生を変える贈り物になることもある」。遺産相続弁護士からのアドバイス(海外)
5. 受取人が「成金症候群」で使ってしまうことがある
大金に慣れていない人が相続をすると、「成金症候群」──多額の資産を相続して衝動的、つまり資産の管理や投資方法をまったく理解せずに使うこと──に陥ってしまうことがある。 数年前、ある顧客が祖母から相続した9万ドル(約1350万円)で初めての家を現金で購入したが、リノベーションや保守費用は自分の給与で賄わなければならないことまで考えが及ばなかった。火災保険、保守費用、税金に加えて、即座に必要な修繕費も支払わなければならなかった。 また、裏庭にプールを設置したが、そのメンテナンス費用とそのために増えた保険料に唖然とした。あっという間に価値が下がる中古のレンジローバーを購入し、修繕費として相続した資産が湯水のごとく消えて行った。ある日、彼女は自己破産の申し立てを考えた。実質的にクレジットカードローンで相続後の生活を維持していたからだ。 相続計画の作成中に、資産を相続すると成金症候群に陥りかねない家族がいると感じたら、資産の受取時期や方法を管理するために、特定の条件や分割相続の条件が付帯された信託を設定しよう。
6. 悪影響を回避するために、将来の備えを手助けしてくれる専門家を見つける
遺産を相続することがわかったら、遺産相続弁護士やファイナンシャルプランナーに相談すると良いだろう。そうすれば、自分や家族のために遺産を効果的に管理・保全できるよう、情報に基づいて相続判断を下すことができる。 子どもがいるならば、資産の一部を529大学進学基金(子供の進学目的で行う税制優遇貯蓄制度)などの金融商品に貯蓄する、信託を設定する、生命保険を掛けることで、ジェネレーショナル・ウェルス(世代間で受け継がれる資産)を確立することができるかもしれない。 遺産相続は大変で憂鬱な作業かもしれない。時間をかけて相続計画を練り、家族にも同じことを推奨しよう。そうすれば、後に残される愛する者たちのために最善の形で遺産計画を策定できるだろう。
Jen Glantz