満員電車のリスクは? 専門家会議が示した日常生活の考え方とは
新型コロナウイルスの感染拡大で、国内でも大規模イベントの自粛や学校の休校が続いています。しかし私たちは日々の生活を送らなければいけません。日常生活にも影を落とすこのウイルスとどう向き合っていけばいいのでしょうか。政府の専門家会議の見解をもとに「リスクが高い条件」などを確認してみましょう。 【画像】新型コロナウイルス「濃厚接触者」とは 身体的な接触だけじゃない?
●高リスク「3条件」
「これまでに明らかになったデータから、集団感染しやすい場所や場面を避けるという行動によって、急速な感染拡大を防げる可能性が、より確実な知見となってきました」 専門家会議が9日に公表した見解には、こんな記述があります。これまでに、屋形船やスポーツジム、ライブハウス、展示商談会、ビュッフェ形式の会食などの場所で集団感染が起きたことが確認されていますが、2日の見解を整理する形で、これらの場所に共通する「3つの条件」を示しました。 (1)換気の悪い密閉空間 (2)人が密集している (3)近距離での会話や発声が行われる 9日の記者会見で、地域医療機能推進機構の尾身茂理事長は「3つの条件が重なるところがもっともリスクが高い」と述べ、こうした場所は避けるように呼びかけました。 新型コロナウイルスの主な感染経路は咳やくしゃみ、つばなどの「飛沫感染」と、感染者が触ったものなどを通じた「接触感染」であることが分かっています。見解では、上記の3条件のほかにも「共用の物品を使用」することで接触感染が起こる可能性を指摘しました。 集団感染が不安な場所として、ネット上などではかねてより「満員電車」が話題になっていましたが、専門家会議はこのリスクについても言及しました。 「満員電車では、3つの条件のうち(1)と(2)の条件は合うが、(3)はあまりない。電車の中で正面を向いて話す機会はあまりない。ただ場合によっては(3)が重なることもあり得る」 さらに野外でスポーツをする場合も、プレー中は条件に当てはまらなくても、着替えやミーティングなどの際に(1)から(3)の条件が合致する瞬間があり得ると指摘。 尾身氏は、1つないし2つの条件があれば「何かのきっかけで3つの条件がそろうことがある」と注意を促しました。