最大でM9クラス 南海トラフ巨大地震ってどんな地震?
「東海」「東南海」「南海」の3地震が連動して起こるマグニチュード(M)9クラスの「南海トラフ巨大地震」の発生が懸念されています。死者数は最大で32万3000人、経済被害は最大で220兆3000億と、非常に大きな被害が予測されています。南海トラフ巨大地震とは、一体どんな地震なのでしょうか? 阪神淡路大震災から19年、 “遺構”が伝える震災被害
どんな地震?
国の中央防災会議の有識者会議では、南海トラフ巨大地震への対策を検討しています。南海トラフ沿いの地域では、これまで100年から150年の周期で大規模な地震が発生してきましたが、この巨大地震は「東海」「東南海」「南海」の3つの地震が連動した場合の最大規模の地震・津波を想定したもので、千年に一度のM9クラスとされています。 「東海」「東南海」「南海」の3つの地震は、いずれも南海トラフ付近を震源域としています。静岡県の駿河湾から浜名湖にかけて起こるものが東海地震、浜名湖から和歌山県の潮岬にかけて起こるものが東南海地震、潮岬から高知県の足摺岬までの地域で起こるものが南海地震です。 では南海トラフとは一体何のことで、どこにあるのでしょうか。南海トラフとは、駿河湾から九州沖にかけての海底にある溝(トラフ)のことで、深さは約4000メートル。トラフは比較的浅い溝で、プレートがもぐり込んで海底が溝状に深くなっている場所は「海溝」といい、多くは深さ6000メートルです。
発生のメカニズム
日本列島は、地球を覆っている十数枚のプレートのうち、4枚のプレートの衝突部にあり、世界有数の地震多発地帯です。 南海トラフの南側にあるフィリピン海プレート(海側のプレート)は、日本列島があるユーラシアプレート(陸側のプレート)の方に毎年数センチずつ移動し、その下にもぐり込んでいます。海側のプレートが動くと、陸側のプレートの先端が一緒に引きずり込まれて、ひずみがたまっていきます。そのひずみが限界に達した時、元に戻ろうと陸側のプレートが一気に跳ね上がり、地震が発生します。またその際、プレートが真上にある海水を一気に持ち上げるので、大きな津波が発生します。