最大でM9クラス 南海トラフ巨大地震ってどんな地震?
被害想定は?
■死者 M9クラスの南海トラフ巨大地震が発生したら、一体どれくらいの被害が出るのでしょうか。国の中央防災会議の有識者会議の試算では、最悪の場合、関東以西の30都府県で最大32万3000人が死亡、そのうち津波による死者が7割を占めるとしています。この最悪の想定は、東海地方の被害が大きい地震が冬の深夜に発生し、強風だったケースで、静岡県では最多の10万9000人の死者が想定されています。 ■震度と津波 各地の震度の想定は、震度7が静岡県から宮崎県までの10県151市区町村、震度6強が21府県239市区町村。津波については、高知県黒潮町と土佐清水市で最大34メートルと推計され、8都県に20メートル以上が襲うとしています。 ただ、有識者会議は想定する最大クラスの地震の発生確率は極めて低いとも指摘。迅速な避難や対策をとれば、津波の死者は8割減らせるとしています。 ■経済被害 経済的な被害はどうでしょうか。同じく国の有識者会議の試算では、最大で220兆3000億円に上るとしています。これは日本の国家予算の2年分より多い額で、東日本大震災の10倍超に相当するといいます。太平洋沿岸が最大クラスの地震と津波に襲われた場合、建物や道路・電力などインフラ、ライフラインの被害は関東以西の40都府県に及びます。こうした直接被害は169兆5000億円に達し、もっとも被害額が大きい愛知県で30兆7000億円、大阪府では24兆円と推計しています。
日ごろから備えを
この南海トラフ巨大地震の被害予測は、2011年3月の東日本大震災を受け、「考えられうる最大のプレートのすべり量(内閣府)」を想定して算出したものです。必ずこの規模の地震が発生し、被害が出るとは限りませんが、日ごろから巨大地震への備えはしておきたいものです。 (動画制作:TOMOニュース)