こしょう価格高騰 産地ベトナム減産 農家売り惜しみ「原料枯渇」 日本96%が輸入品
料理のアクセントに欠かせない調味料・こしょうの価格が今、2倍以上に高騰しています。原因は、一大産地・ベトナムの異変にありました。 【画像】こしょう価格高騰の陰に主要産地ベトナムの天候不順 世界的な食の西洋化で需要増
■海外農家から「値上げ通告」 料理店悲鳴
ピリッとした刺激とさわやかな香りで、料理のアクセントとして欠かせないこしょう。取材した店はこしょうを使った料理が専門で、他にはないクセになる味が楽しめると人気です。 客(20代) 「こしょうをたくさんかけることができて、スパイスが利いていておいしいです」 客(60代) 「1番と2番(のこしょう)をサラダにかけて食べたんですけど、風味がちょっと違う。食べた後の辛さが、こしょうが残ります」 真っ赤なスープに、黒と白2種類のこしょうを練り込んだ麺。黒こしょうは強い辛みと香りが特徴で、白こしょうはマイルドで上品な香り。ミックスすることで、より奥深い味になります。 具材の上には、フルーティーな香りが特徴のピンクペッパーも。さらにお好みで、塩漬けにした粒の生こしょうをかけていただきます。 最初に酸味とうまみが口の中に入ってきて、後からこしょうが利いてきます。最後にこしょうのさわやかな香りと刺激が来ることで口の中がさっぱりして、どんどん食べられます。 料理に合わせて、5カ国から仕入れたおよそ10種類のこだわりのこしょうを使い分けています。しかし、前の日に取引をするカンボジアの農家から連絡があったといいます。 胡椒饅頭PAOPAO 林準一オーナー 「こしょうの仕入れ先から今後、こしょうの需要(に対して)間に合わなくなっていくので、料金を上げていく可能性があるという連絡をもらった」 こしょうの価格が今、急騰しています。2020年の価格は1キロあたり471円でしたが、去年は1.9倍の917円まで上昇。今年に入っても高い水準を維持しています。 取材した店では料理に使ったり、客が自由にかけたりと、月に10キロものこしょうを消費しています。 林オーナー 「こしょう料理の店なので、料金的に安いところを仕入れるわけにいかない。おいしいものを仕入れているので、厳しくなってくる。料理の値段を上げることも考えられるかな」