“ラーメン二郎を150杯食べた”韓国人がソウルで営むラーメン店。「日本のジロリアンも満足する一杯を」
本場二郎の接客スタイルをリスペクトしつつも自店には取り入れず
――本場の二郎によくある、独特の接客スタイルについてどう思いますか? ヨンウン氏:スマホを触りながら食べたらいけない、おしゃべりをしながら食べたら怒られるなどの文化ですよね。経営のためであることは理解していますし、あのような独特な文化はおもしろいとも感じます。うちの店に取り入れたいと思うこともありますよ。「早く食え!」「スマホを見るな!」って(笑) ――ただ、566ラーメンのお客さんは飲食をゆっくり楽しんでいるイメージです。 ヨンウン氏:韓国人にとってラーメンは「外国の食べ物」なので、うちではゆっくり楽しんでもらえるようにしています。あまりにも長居するお客さんには丁寧に事情をお伝えすることもありますが、基本的にはルールは設けていません。 ただ、韓国では日本ブームに乗っかりラーメン店が増えているのですが、店舗によっては回転率を重視し「30分以内に食べる」というルールを設けるところもあるみたいですよ。
韓国人の味覚に寄せず本場の味を提供し続ける理由
――私は韓国でさまざまなお店のラーメンを食べてきましたが、566ラーメンの味の再現度はダントツだと思います。 ヨンウン氏:うちでは、ラーメンを韓国人の味覚に寄せず、あえて本場日本の味で提供することにこだわっています。そのため、材料は醤油から麺の小麦まで、すべて日本の二郎に倣っています。 ――どうしてそこまで、現地の味にこだわるのですか? ヨンウン氏:たとえば、日本で日本人の味覚に合ったキムチを食べてから本場韓国のキムチを食べたら、味の違いを感じるはずです。辛すぎる味付けに、戸惑うかもしれませんよね。 韓国人がうちの店でラーメンを食べたら「しょっぱい」「味が濃すぎる」と感じるかもしれません。しかし、その後日本で本場の味を知ったときに「日本でもこんな味なんだ。だとしたら、あそこはちゃんとしたお店だったんだ」と思ってもらえるはずです。 ――本場の味を保障するという意味があるのですね! ヨンウン氏:はい。ただ、韓国では「キムチチゲ」や「コムタンスープ」などに代表されるスープは、食卓に欠かせない存在です。そのため、韓国人は日本の方が思っているよりもスープの味に敏感です。だからこそ、うちの二郎系ラーメンでも最初の一口に強いインパクトを持たせることを意識しています。 そのおかげもあり、お客様から「食事中は量が多く、脂っこくて食べるのが大変だったけど、家に帰るとまた食べたくなってしまう」という嬉しいお声もいただけています。