65歳以上「貯蓄4000万円以上」の割合は?広がる貯蓄格差と家計を圧迫する「食費・光熱費」の存在
以前に話題になった「老後資金2000万円」問題、ご記憶にある方も多いのではないでしょうか。 ◆65歳以上「貯蓄4000万円以上」の割合は?図表で見る その後、大幅な物価高となったことにより老後2000万円ではなく4000万円が必要となるのではと言われています。 「老後に2000万円を貯められるかどうかですら危ういのに、4000万円なんて…」という声が聞こえてきそうです。 今回は、世帯主が65歳以上の世帯のうち「貯蓄が4000万円以上」の割合はどのくらいあるのか見ていきましょう。 ※編集部注:外部配信先ではハイパーリンクや図表などの画像を全部閲覧できない場合があります。その際はLIMO内でご確認ください。
貯蓄4000万円以上の世帯はどのくらいある?
2023年の総務省統計局の家計調査「家計調査 貯蓄・負債編」のデータにある、世帯主が65歳以上の二人以上世帯の貯蓄高をみてみましょう。 4000万円以上の貯蓄高のある世帯の割合はどのくらいでしょうか。 ●世帯主が65歳以上の世帯の貯蓄現在高階級別世帯分布 世帯主が65歳以上の世帯の貯蓄現在高の分布 ・~100万円未満:7.9% ・100万円~:4.1% ・200万円~:3.2% ・300万円~:3.7% ・400万円~:3.0% ・500万円~:4.1% ・600万円~:3.1% ・700万円~:3.1% ・800万円~:2.9% ・900万円~:2.3% ・1000万円~:5.5% ・1200万円~:4.3% ・1400万円~:4.3% ・1600万円~:4.2% ・1800万円~:3.2% ・2000万円~:7.1% ・2500万円~:6.6% ・3000万円~:8.7% ・4000万円~:18.8% ちなみに、貯蓄保有世帯の中央値は1604万円、平均値2462万円となっています。 「中央値」とは、貯蓄保有世帯のうち、貯蓄「0」世帯を除いた世帯を貯蓄現在高の低い方から順番に並べ、ちょうど中央に位置する世帯の値をいいます。 「平均値」とは、全世帯の貯蓄の合計額を、世帯数で割った値のことをいいます。 もし、貯蓄額がけた外れに高い世帯が1世帯あれば、平均値が高くなりますが、中央値は、全体の真ん中の値で、より、実態に近い数値といえます。 上記より、世帯主が65歳以上の世帯での貯蓄高において、4000万円以上を有する世帯は全体の18.8%。約5世帯に1世帯が貯蓄額4000万円以上を持っていることがわかります。 次に、中央値である1600万円以上の貯蓄高を持つ世帯を見てみると、全体の48.6%を占めています。約2世帯に1世帯が1600万円以上の貯蓄額を保有していることがわかります。 その一方で、貯蓄300万円以下の割合は全体の18.9%。貯蓄4000万円以上の世帯18.8%とほぼ同じ割合を占めていることがわかります。 このことより、貯蓄が十分にできている世帯もあれば、貯蓄ができていない世帯もあり、貯蓄額に大きな差があることが分かります。