トランプ氏勝利、衝撃のホワイトハウス返り咲き-米大統領選
(ブルームバーグ): 5日に投開票が行われた米大統領選で、共和党候補のドナルド・トランプ氏が民主党候補のハリス副大統領を破って第47代大統領に選ばれた。米国史上、最も二極化した選挙戦の一つで、前大統領のトランプ氏は衝撃的なホワイトハウス返り咲きを果たした。
トランプ氏の勝利は、有権者の不安を捉えて国民の間の分断を利用するという、同氏の政治的アプローチが有効だったことを裏付けるものだ。移民問題や女性の人工妊娠中絶、経済を巡り米国の世論は鋭く対立し、多くの人々にとって米国の民主主義自体が問われる選挙となった。
不倫口止め料を不正に処理したとして罪に問われた刑事裁判で有罪評決を受けたほか、2度の暗殺未遂事件に遭ったトランプ氏(78)は、共和党候補選びの予備選・党員集会で有力な対抗馬を寄せ付けず、本選挙ではバイデン大統領の撤退を受けて急速に支持を伸ばしたハリス氏を破った。
トランプ氏は6日、フロリダ州ウェストパームビーチで開催された選挙観戦パーティーで支持者を前に演説し、「わが国がかつて経験したことのない政治的勝利」だと語った。さらに、「この4年間の分断を過去のものとし、団結する時だ」とも話した。
下院は民主・共和いずれの党が多数派になるか予断を許さない状況だ。
中国や他国からの輸入品への関税導入や徹底的な移民取り締まり、規制緩和、連邦支出の大幅削減、公務員の粛清、政敵の訴追などを公約したトランプ氏はペンシルベニアやジョージア、ノースカロライナなど主要な激戦州で相次ぎ勝利した。
市場はトランプ氏の勝利が確定する前から、勝利を見込んで動いていた。S&P500種株価指数先物は一時1.4%上昇。トランプ氏と親しいイーロン・マスク氏が最高経営責任者(CEO)を務める米電気自動車(EV)メーカー、テスラの株価は時間外で一時13%高と急伸している。
米10年債利回りは19ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇の4.47%と、4カ月ぶりの高水準。30年債利回りは一時23bp上昇した。2年物利回りのドイツ債との格差は22bp広がって209bpと、このまま引ければ約2年ぶりの大きさとなる。暗号資産(仮想通貨)ビットコインは過去最高値を更新した。