世界IPO番付、東京メトロ上場の日本は6位-英国は20位に後退
(ブルームバーグ): ロンドンの新規株式公開(IPO)市場で、状況は悪化の一途をたどっている。同市場で今年に入り調達された資金は、一部の小規模なフロンティア市場を下回った。
ブルームバーグが1月から11月末まで集計したデータによると、ロンドン市場でのIPOによる資金調達額は約9%減の10億ドル(約1520億円)。この結果、世界のIPOランキングで、英国は順位を4つ下げ20位となった。一方、日本は6位だった。
英国は、市場規模が同国の1%にすぎないオマーンのほか、マレーシアやルクセンブルクなどに追い抜かれた。ほんの数年前までは、常に世界のトップ5位以内に入っていた。
今回のランキングは、英国が直面する問題の深刻さを浮き彫りにしている。同国市場は低いバリュエーション(株価評価)、国内投資家のリスク回避的な姿勢、他の金融センターとの競争激化から打撃を受けている。
英国は最近、上場ルールを改正したが、300年の歴史を持つロンドン市場の活性化には、さらなる対策が必要だと投資家や企業幹部らは指摘している。
地域別では、IPO活動の多くが実施されたのは中東とアジアで、両地域が今年の資金調達額の半分余りを占めた。また、世界のIPO案件トップ10のうち5件が両地域だった。
アジアでは大型案件が相次いだ。10月には東京地下鉄(メトロ)が上場し、売り出し総額は3486億円となった。インドでは、韓国の現代自動車のインド部門であるヒュンダイ・モーター・インディアが33億ドル規模のIPOを実施した。
中東では、アラブ首長国連邦(UAE)のドバイ市場で先月下旬にデリバリー・ヒーローの現地法人タラバット・ホールディングが20億ドル規模のIPOを完了。今年に入り世界最大規模のテクノロジーIPOとなった。
原題:Shrinking UK Stock Market Sinks Below Oman in Global IPO Ranking(抜粋)