中田がプレミア12で大爆発している理由とは?
台湾に舞台を移した「プレミア12」の予選ラウンドで、北海道日ハムの中田翔(26)のバットが大爆発している。11日の第2戦のメキシコ戦ではサヨナラヒットを含む3安打5打点。12日のドミニカ共和国戦でも同点に追いつかれた8回に、勝ち越し2点タイムリーを放つなど2安打3打点の大暴れで、2試合連続で決勝打を叩き出して日本を救った。 小久保監督も、「昨日も今日も彼のバットで勝った試合です。中田様さま」と大絶賛。プレミア12の3試合を終えた時点で打率は.636。脅威の6番打者である。すでに“ミスター・プレミア12”と呼べる存在感だが、なぜ中田の国際試合での大ブレイクが生まれたのか。 北京五輪で日本代表チームのチーフスコアラーを務めるなど国際野球に詳しい三宅博氏は、中田のバッティングスタイルがシーズンに比べて明らかに変化しているという。 「ドミニカ戦の4回のタイムリーも落ちるボールをうまく拾った。何が何でもフルスイングするのではなく、7割、8割のスイングで、バットコントロールを重視し、粘り強く変化球にも対応するんだという意識が見える。シーズン中に時折見せる、淡白な外の変化球に対応できないバッティングスタイルとは、ずいぶんと違っている。 国際試合の配球は、外角中心の組み立てで、チェンジアップなどの変化球が主になってくる。審判のストライクゾーンが外角に甘いことと、外国のチームは韓国を除いて、対戦チームの研究をそれほど細かくはしないので、手探りのリードになることが多いからだ。おそらく日本は十分に対策をしているだろうが、打席と映像では、また感覚が違うもの。 宮本慎也がいたころは、彼が中心になって相手チームの癖を盗んだり、徹底研究をしたが、国際試合で結果を出すには、タイミングの取り方など、試合の中での短時間での対応力が重要になる。中田は、国際試合の経験があるだけに、しっかりと準備ができているように見える。頭の中も整理されていた結果だと思う」