中田がプレミア12で大爆発している理由とは?
今季の中田のレギュラーシーズンの成績は打率.263、102打点、30本塁打という打率を除けば、4番にふさわしい堂々たるものだった。得点圏打率は.281をキープしていたが、負けている展開では、その打率は.200と急降下。つまり力みだ。球種別の打率を見ると、カーブ、チェンジアップの打率は1割台で、大きな速度差をつけられる緩急の揺さぶりには、まるっきり弱かった。 だが、5-5の同点で迎えたメキシコ戦のサヨナラヒットも、9回一死一、二塁のフルカウントから、外の変化球を逆らうことなくセンターから右方向へ運んだものだった。三宅氏が指摘するように確かに今の中田には、シーズン中にはかいま見せた穴らしい穴が見えない。 その変貌理由として三宅氏はメンタルの変化を挙げた。 「4番に大阪桐蔭の先輩である中村がいて、筒香や山田という若手に凄い後輩もいる。ちょうどその間の年代に立った中田には、負けていられないという競争心と責任感が芽生えているのではないか。ヒーローインタビューで話している、その中身に非常に人間的な成長を感じる。ある意味、日の丸を背負ったプレッシャーの中での国際試合を戦いながら中田は成長しているのかもしれない」 確かにドミニカ戦では、慣れない球場で目測を誤ってレフトフライを二塁打にしてしまい、同点2ランにつなげてしまった筒香をベンチでフォローするなど、その言動に責任感があふれている。 試合後のインタビューでも、筒香のミスについて触れ、「僕も外野を経験しているので、あの打球は高く上がったし、難しさは分かります。何とかしてあげたい気持ちがすごくあった。筒香は、あまり気にしていなかったですけどね」と笑いを誘いながらも、チームメイトを労わった。 当初の4番の予定が、6番に降格。気分屋の中田が6番でどうプレーするか不安視もされていたが、それも杞憂に終わり、気分屋どころか、さらに責任感が増して、なくてはならない6番打者となっている。