岡田太郎社長『スターダムの現状と未来』電撃就任から選手離脱を振り返り「逆風の中でも信頼関係の構築に尽力」
「ライブ、ナマモノですので、すぐに判断を出さないとお客様を待たせてしまいます」
④素早い判断で対応強化→ファンからの反応は? ――岡田社長はファンの意識をしっかり受けとめるなど、その部分の対応をいろいろされていて、さまざまな判断を素早くされていると見受けています。ファンからの反応について岡田社長は普段どのように考えているのでしょうか。 かねがね、ポジティブに捉えてもらっているのではと判断して進めております。なぜ素早い判断をしているのかというところですと、これはブシロードの企業体質です。グループではユニット分けをしてそれぞれ責任者がいて、裁量を持って素早くそれぞれの部門の経営判断をしています。自分もスターダムの代表であり、新日本プロレスの取締役でありこの9月からプロレスのユニットスポーツ部門のユニット長になりましたので責任を持って素早く判断することを意識しています。もちろん、順を追って「これでいいですか?」と確認することもありますが、それだけではないというのが社風です。この素早い判断が、新体制スターダムや新日本プロレスにも根づかせたい社風です。ライブ、ナマモノですので、すぐに判断を出さないとお客様を待たせてしまいます。 また、SNSでの反応は、マイナス意見を目にすることの方が多く感じるときがありました。スターダムは世界一の女子プロレス団体です。スターダムのことを悪く、刺激的に書くとSNSのインプレッションや動画の再生数が回るんですよ。そのような意図があるかどうかはわからないですが、一度否定的な意見を見たり書いたりすると、同じような意見を目にすることが増えるのが今のSNSの環境です。 ただ、それと同時にありがとうとか、よくやったという声も届けてくださっている方はいらっしゃいます。SNSの特性からいうと、悪い意見のほうが目につきます。なので、五分五分くらいで良い意見が見えているならば、実際これはやってよかったと判断します。もちろん不満に思う方、悲しく思う方、残念に思う方もいますので、そこはケアしなければいけません。しっかりSNSの特徴を捉えて判断していきたいです。 でもいちばん大事なのは、会場の反応です。例えば、ある事象が「SNSで叩かれた」「〇〇選手に批判の声多数!」という文字を見たとします。でも、叩いているのは誰?苦情が来ているのは何件?お客様の会場の反応は?というのを考えると、SNSのアルゴリズムで目についた意見だけにとらわれることなく、会場のお客様の反応をしっかりと判断して物事を進めていく必要があると感じます。 ネガティブなものばかり入ってくると、歩みが止まってしまいます。歩みが止まってしまうことが一番良くないと思います。間違った方向に本当に進んでしまったら、方向を直せばいいんです。SNSの批判は勇気をもって、無視するか受け入れるかしないと、良くないなと考え込んでしまいます。そうなるとあとは落ちるだけ。いかに自分を信じて進めるか、間違ったと思った時にすぐに方向修正をできるかが大事です。 ――そういった岡田社長の考え方が選手にだんだん伝播していくと思いますし、そこから情報発信がポジティブなものになっていくのが、ファンの皆さんにも伝わっていくと思います。いずれにしても今は悪い状況じゃないと、私は思っています。今、岡田新体制がいい形であの軌道に乗りつつあって、これからのスターダムが飛躍しそうだと伝わっています。その辺は素晴らしいと思っています。 名古屋大会(10月5日)も過去最大の集客でしたよね。 ――試合も盛り上がりましたし、興行成績が上がるのは素晴らしいと思いました。 ⇒後編に続く インタビュアー:山口義徳(プロレスTODAY総監督)
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