「窒素死亡カプセル」371人申請したが…スイス、使用中止
スイスで違法かどうかの論争の中で先日死亡者が発生した「幇助(ほうじょ)自死カプセル」の使用が中止された。AP通信が6日(現地時間)に報じた。 「サルコ」(Sarco)と呼ばれるこのカプセルをスイスに導入した安楽死擁護団体「ラスト・リゾート」(The Last Resort)と、オーストラリアの姉妹団体「エグジット・インターナショナル」は、サルコの初めての使用に対するスイス当局の犯罪疑惑調査が終わった後、このような決定を下したことを同日明らかにした。両団体によると、先月時点で371人がサルコの利用申請の手続きをしていたが、最初の利用者の死亡後にこの手続きが中断された。 サルコは1人が入って横になれる大きさで、ふたを閉めてボタンを押すと窒素が噴出し、5分以内に死亡する。人が入った後にふたを閉じると、「あなたは誰ですか」「どこにいますか」「ボタンを押すとどのようなことが起きますか」などを質問する自動音声が流れる。質問に答えてボタンを押すと、窒素が噴き出てくる。すると数分後には人は眠りに落ち、息を引き取るという。サルコはフィリップ・ニチケ医師が考案した機械で、今回初めて使用された。 しかし、先月23日午後、スイス北部のシャフハウゼン州の森の中で、サルコを利用して64歳の米国人女性が亡くなると、スイス北部のシャフハウゼン州警察は声明を出し、自殺の助長および幇助の容疑で関係者を逮捕したことを明らかにした。ラスト・リゾートのフロリアン・ウィレット代表は裁判前の拘束状態にある。 スイスでは、他人の助けを得て自ら命を絶つ安楽死の一種である「医師による幇助自死」(Physician-Assisted Suicide、PAS)は、一定の要件を満たしていれば処罰されない。スイス政府のウェブサイトによると、少なくとも「外部の(直接的な)助力」なしに自ら命を絶ち、自死を助ける動機が「自身の利益や必要」のためではない限り、処罰されない。オランダなどでは認められている医療スタッフが直接患者を死亡させる「積極的安楽死」は許容されていない。 チェ・ウリ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )