【箱根駅伝】国学院大「初優勝で3冠」なるか…阻むのは経験値高い青学大か、それとも駒大か? 元早大監督が読む
第101回箱根大学駅伝(往復10区間217.1キロ)の最大の注目点はココだ
出雲、全日本を制した国学院大が笑うのか、悔し涙に暮れるのか。本命視されている青学大の連覇はあるのか。毎年、中継の1号車で解説を務める早大OBの渡辺康幸氏(51=住友電工陸上部監督・円内)は、2010年度に母校の監督として「3冠」を達成している。今回のレースをどう予想しているのか語ってもらった。 【写真】ドルーリー朱瑛里 海外流出を危惧する声も…弁護士を通じ異例の要請 ◇ ◇ ◇ 「平林清澄、山本歩夢が4年になったとき、箱根で総合優勝を狙うチームをつくる」 国学院大の前田康弘監督は、その「公約」を果たし、「歴史を変える」戦いに挑みます。ここまでくれば「狙う」の2文字を「獲得」に変えなければなりません。 可能性は十分にあります。懸念材料を挙げれば、箱根の優勝経験がないこと。昨年度覇者の青学大は、直近10年で7度の優勝を誇り、20、22年度優勝の駒大も通算8度の総合優勝。勝ち方を知っているチームです。監督の区間配置も巧みでチームに優勝のプレッシャーはありません。
1区と山登りの5区が往路のポイント区間
国学院大は今回が18回目の出場。初優勝による3冠達成なら快挙ですが、これまで「学生駅伝3冠」を成し遂げたのはわずか5校(90年度大東大、00年度順大、10年度早大、16年度青学大、22年度駒大)です。10区間すべてが20キロ以上のレースですから、なかなか計算や読み通りにはいきません。 国学院大でもうひとつ気になるのは、数々のドラマを生んできた箱根名物の特殊区間です。前田監督も往路のポイント区間に、1区と山登りの5区を挙げています。 選手の走力は前回よりレベルアップしているものの、総合5位だった前回は5区の山登り17位、6区の山下り10位。今回も青学大や駒大のように「山のスぺシャリスト」はいません。16.3キロの最高到達点まで約800メートルの高低差があり、その先は約150メートルの下り坂が待っている。この険しい山登りなら3分以上の大差も逆転可能。ドラマが生まれる要因はここにあります。 往路は1区で出遅れず、2区の平林に上位でたすきを渡し、3区の山本につないで主導権を握りたい。 山登りの5区で逆転されても、トップの背中が見える位置でゴールすれば、「復路では勝負になる」と前田監督は考えているはずです。 ここで2区について触れておきます。