【オリックス】新しい時代へー “頼れる兄貴たち”から受け継ぐバトン プロ野球12球団担当記者が見た2024年
受け継いだバトン~宮城大弥・紅林弘太郎~
そんな2024年シーズンについて、どの選手も大きな悔しさを口にした。 日本球界を代表する投手だった山本由伸(26)のメジャーリーグ移籍後、オリックスの次期エースとして期待された宮城大弥(23)もその1人。高卒2年目から3年連続2桁勝利、WBC優勝を経験するなど活躍を続け、2024年をプロ5年目で迎えた宮城。 そんな先発の要がシーズン前に語ってくれた、自身が考える“エース像”。 宮城大弥: 「エースは“勝ちたいときに勝てる投手” “この人が投げていれば安心という投手”。チームを救えるような投手がエースになる素質があると思う」 しかし、5月に左大胸筋損傷で離脱。ケガによる離脱は自身初でもあった。 宮城大弥: 「どうすることもできないというか、ただ応援することしかできない。とにかく投げたい、1軍のマウンドで投げたいという気持ちが強かったです」 投げられないことへのもどかしさ。チームが苦しむ中で投げられない時期を経験した。 復帰後は先発ローテーションを守り、本来のピッチングを取り戻したものの、ビジターで迎えた最終戦では、こだわっていた規定投球回まであと1回3分の1というところで雨天コールドゲームに。4年連続の規定投球回を達成することができなかった。 遊撃手のレギュラー、紅林弘太郎(22)も悔しさを語ってくれた。 宮城と同学年で同期入団の紅林は高卒2年目から4年連続で規定打席を達成しレギュラーとして定着。長打力や強肩を生かした守備を武器に侍ジャパンにも選出された。 しかし、その紅林にとっても2024年は苦しいシーズンとなった。 紅林弘太郎: 「もうとてもしんどいというか、チームとしても自分としても悔しいシーズンでした」 シーズン終了直後、シーズンについての話を聞くと第一声で返ってきた言葉。 チーム打率がリーグ5位の.238と打撃面でも苦戦した2024年のオリックス。紅林はチーム2位の136試合に出場したものの、打率は.247、HRも2本と振るわず、不本意なシーズンとなった。 シーズン中、独特な足のステップ・打ち方を用いて、何かを探すように、試行錯誤しながら入念にバッティング練習する姿が印象的だった。 紅林弘太郎: 「プロ野球は毎年が勝負なので、レギュラーが確約されている選手なんていない。競争に勝っていくために成長していかないといけない。こんなもんじゃダメだなと、もっと選手としての価値・レベルを上げていかないといけない」 常に抱いている成長への渇望。思うように結果が出なかった2024年シーズンは、その強い思いが危機感に、そして焦りになってしまっていた。自信がなくなり、自分の中でのいいスイングを見失ってしまっていた。 そんな宮城・紅林に聞いた先輩・T-岡田、安達の引退について…。 宮城大弥: 「頼っていた先輩がいなくなった分、しっかり自分たちで、今いる人たちで上を目指さないといけない。しっかり引っ張っていかないといけないと思います」 紅林弘太郎: 「もちろん野球の技術もそうですけど、普段の行動であったり言動で引っ張るっていう姿を見てきたので、そういうところでも僕らが引っ張っていきたいなと思っています」 口を揃えて出てきたのが“自分たちが引っ張っていく”という言葉。自身たちにとっても、そしてチームにとっても大きな存在であった先輩たちの引退が、2人に火をつけたのかもしれない。 宮城大弥・紅林弘太郎: 「休んでいる暇はないです」 もうすでに2025年シーズンの勝利のために動き出していた。