津波が能登半島をまわりこむ海底地形で増幅した可能性も
1日に発生した最大震度7の能登半島地震では津波が沿岸部を襲いましたが、津波の高さは最大で5メートルにもおよび、津波は能登半島の先端をまわりこみ、半島の両側に到達したとみられることが中央大学の調査で明らかになりました。 1日の能登半島地震で沿岸部を襲った津波について、津波の専門家で、中央大学の有川太郎教授らの研究チームは、今月6日から現地調査を行いました。 その結果、建物に付着した痕跡などから、珠洲市では津波の高さが最大で4メートルから5メートルほどに達した可能性があるということです。 有川教授は、こうした調査結果などをもとに津波の発生から波及する様子をシミュレーションしたところ、津波は、能登半島の先端部をまわりこんで半島の東側にある石川県珠洲市や能登町の沿岸部に到達して大きな被害をもたらしたほか、半島の西側にもまわりこみ輪島市や志賀町などに到達したとみられるということです。 志賀町には津波発生からおよそ1時間から1時間半後に到達したとみられています。 半島の東側を中心に津波が高くなった要因については、能登半島の周囲にある「大陸棚」という水深の浅い場所が関係しているとみています。 津波は、水深が浅い場所でエネルギーが集中する特徴がありますが、この「大陸棚」で津波が反射と屈折を繰り返して増幅することで繰り返し津波が来襲し、能登半島の東側の地域の被害を拡大させた可能性があると分析しています。 有川教授は、引き続き、能登半島地震でおきた津波の詳しいメカニズムを調査し、日本周辺で発生する津波の防災対策につなげていきたいと話しています。