定年退職後、Uターンする際にかかる費用とは?|利用できる支援制度や仕事の選択肢を解説【シン・会社のマナー】
国や自治体の支援制度は利用できる?
Uターンのための費用に、国や自治体の公的な支援制度を利用するということも良い案です。多くの県や市町村で移住者を受け入れるための補助金や優遇制度を設けています。金銭の支給のほか、空き家の無料貸与や住宅が確保できるよう配慮してくれることもあります。自分がUターンする予定の自治体のホームページなどを検索して、利用できる制度を確認しておきましょう。 自治体によっては、若い人の移住を促進するために優遇制度に年齢などの条件を設けている場合があるので、注意が必要です。故郷に住んでいる家族や友人などの人脈を利用して、情報を得ておくことも大切です。 ◆転出する側の自治体の支援制度 また、転出する側の自治体のほうの支援制度もあります。例えば、東京都は、東京圏外に移住、転職する人を支援する補助金制度を用意していますので、利用の可否なども調べておきましょう。 地元に戻るといっても、離れてからの期間が長いと大幅に環境が変わっていることも少なくありません。帰省した際などに、地域の様子や交通インフラの整備状況なども確認しておくことをおすすめします。
Uターン後の仕事の選択肢
Uターンが決まり、定年退職後地元に戻ったとします。その後は、移り住んだ土地での新たな生活が始まります。よほど実家に財産がある人でない限り、まったく仕事をしないで生活できる人はほとんどいません。そこで多くの人が地元で仕事に就くことになりますが、よくあるのが農業、漁業などの地元の産業に携わるケースです。 実家が農家や漁師の場合、選択しやすい仕事ではありますが、長い間会社勤めをしてきた人がまったく異なる仕事に取り組むのは容易ではありません。実家が地元で店舗や会社などの事業を営んでいる場合、家業を引き継ぐケースもあります。これもまた、地元の慣習や地域のコミュニティに馴染んでいくための難しさがあるでしょう。 このように、両親や親族がやっていた仕事を夫婦で引き継ぐようなケースは、家族、特に配偶者の協力が不可欠です。Uターンが、夫婦のトラブルにつながってしまうようでは元も子もありません。事前に何度も足を運び、地域の事情を家族にもよく理解してもらうようにしましょう。 ◆地元企業に就職する場合 家業とは関係なく、地元の企業に就職するという選択肢もあります。この場合も定年前から情報を収集し、どのような会社でどんな働き方をするのか、計画を立てておくことが大切です。定年前の仕事と同じような感覚で考えていたのでは、長続きする仕事には出会えません。 定年後の再就職でもありますし、都会と地方では賃金の水準も違います。その地方の給与相場や、業務の内容などを理解したうえで、現実をふまえて仕事を選ぶ必要があります。 役所などでも、定年後のシニアを採用している仕事がありますから、公的な機関の募集などにも目を配っておきましょう。注意しなければならないのは、周囲とのコミュニケーションです。定年前の地位や、都会での経験を鼻にかけるような態度では、地元の人たちと溝ができてしまいます。新たな職場では、謙虚な気持ちを忘れずに新人のつもりで仕事に取り組むようにしましょう。