キヤノン「PowerShot G1 X Mark III」開発者インタビュー
ISO25600の高感度撮影でも低ノイズで解像感の高い画質
「PowerShot G1 X Mark III」に採用されている画像処理エンジンは、前モデルに搭載していた「DIGIC 6」から進化した最新の「DIGIC 7」。これは1インチセンサー搭載のコンデジ「PowerShot G7 X Mark II」と同じものだが、当然センサーがAPS-Cセンサーへと変わっているため、これに合わせたチューニングを施しているという。特筆すべきは高感度撮影時の高画質・高解像感。大型のAPS-Cセンサーが記録した画像を、DIGIC 7によって高速処理する。しかも、撮像センサーの画像情報からブレ量を判断し、除去するアルゴリズムも搭載されている。
画質面に関してセンサーサイズが大型になっただけではなく、“画づくり”の面でも大きな変更があったという。前出の野田さんは「ピクチャースタイルの数値を一眼のEOSシリーズと統一化させたことが大きな変更点です」という。
キヤノンの高級コンパクトデジカメ「Gシリーズ」のフラッグシップにふさわしい性能を持つ「PowerShot G1 X Mark III」。高精細の有機EL(0.39型)を採用した約236万ドット内蔵EVFや、「デュアルピクセルCMOS AF」など、最新テクノロジーを小型軽量ボディに、これでもかと詰め込んだ“リトルモンスター”と呼ぶべきカメラとなっている。 ボディの細部デザインにもこだわりがある。ボディの設計を担当した間久和さんによると「小型にしたことで使いにくいと言われては本末転倒なので、ダイヤルやボタン類などの操作系のレイアウトには従来以上に神経を使いました。レリーズボタンの感触には特にこだわっていて、EOS 6D MarkIIなどの一眼レフカメラ・EOSシリーズの感触をそのままに小型化できないかと考え、新規に設計し直しました。また、ボディの外装も堅牢性と小型化の両立に苦労しました。このカメラ用に新しい材料を調達し、今までにない薄くて頑丈なカバーを作ることができました。ここまでやって、ボディ重量が400gを切ることができたんです」とのこと。もちろん、防塵防滴ボディも実現している。