人は、知らない人に攻撃的・批判的・冷淡になりがち…「反応の薄いお客様」の満足度を上げる「魔法の声掛け」【元ANAのCAの助言】
接客において、反応が薄いお客様の満足度を上げるのは難易度が高いです。そうしたお客様へはどのようなアプローチをすればよいのでしょうか? 本記事では、元ANAのCAで人材教育講師の三上ナナエ氏の著書『一生使える「接客サービス」の教科書』(大和出版)より、反応が薄いお客様へのアプローチ方法について解説していきます。 職業別「平均年収」ランキング…「客室乗務員」の衝撃順位
リアクションがなくても大丈夫
接客をしていて、お客様の反応がいまいちだなと感じることはありませんか。反応が薄いとお客様のニーズも汲み取りにくく、「自分の説明の仕方がわかりづらかったかな?」「何か失礼なことを言ったかな?」などとネガティブな思いがよぎります。でもお客様の中には、元々反応が薄い方もたくさんいらっしゃいます。ですので、そこで自分を過度に責める必要はありません。 ザイオンスというアメリカの心理学者が「人は、知らない人には攻撃的・批判的・冷淡に反応する」と言っています。むしろ、そこで焦ってしまって余計に説明を重ねたり、不安に思ってしどろもどろになると、かえって不快に思われるものです。 逆にお客様の反応が薄い時に上手にアプローチできると、心を開いてくださったり、より良い関係を築くことができます。では、反応が薄いお客様に、どのようにアプローチしたらいいのでしょう? 例えば、一通り商品の説明をした後、お客様が無言になってシーンとした時。「今の説明でわかりにくかったところをぜひ教えてください」とソフトに聞いてみましょう。 こう声がけをすることで、自分が思っていることをお客様は話しやすくなります。反応の薄いお客様の傾向として、少し内気な方である場合が多いです。納得していないことがあったり、わからないことがあっても言い出せないのです。そんな時、接客する側から促すことで言い出しやすくなり、納得度や満足度が上がることもあります。
言葉の裏も読む
また、こちらの問いかけに対して、お客様が何かしら言葉を発してくださった際に、意識してもらいたいことがあります。それは、言葉の意味をそのまま受け取るのではなく、声の調子・表情を観察して、「あれ?」と違和感があったら確認することです。例えば、問いかけに対してお客様が「わかりました」と言ったとします。しかし、この言葉一つとっても、 ・納得 ・不満 ・迷い ・喜び ・疲れ このような様々な感情が裏に隠れているかもしれません。特に不満や迷いがあるように感じたら、「不明点があれば、小さなことでも遠慮なくおっしゃってくださいね」と声をかけることで、本音を引き出しやすくなります。 お客様が「わかりました」と言っているのに、さらにもう一度声がけをするのはちょっと気が引ける……と思う方もいるかもしれません。しかし、変化に気づいたのに声がけしないことは、かけることよりもリスクがあります。お客様は不満を残したまま、結局離れていってしまうからです。こちらの思い過ごしかもしれませんが、念のため確認することが大切なのです。「最近お客様の反応が薄いな」と感じても、自分の接客が悪いからだとダメ出しをする必要はありません。 まずは、お客様が居心地よくいられるように、そして心のうちが言いやすくなるように、何ができるか考えてアプローチしてみてくださいね。 POINT:反応の薄いお客様には、臆することなく声がけをする 三上 ナナエ 元CA・人材教育講師