「女だからできねぇよ」講談師・七代目一龍斎貞鏡(38)4人の子どもの妊娠報告のたびに「何やってるんですか」と言われ涙した過去も
■妊娠報告のたびに「悔し泣き」 ── 貞鏡さんの人気あってこその反応でしょうけど、妊娠の際に「おめでとう」と声をかけていただけないのは悲しいですね…。 貞鏡さん:お仕事先の方にご迷惑をかけてしまうのも事実ですし、さまざまな状況の方がいらっしゃいます。ご迷惑をかけてしまったということは心よりお詫びし、あとは私にできることを考え、お腹の子の命を守り、家族を守り、産前よりパワーアップして高座に復帰することしかない。こう腹に決めました。
4人目の妊娠の際も「何やってるんだ」「子ども4人も産んで仕事なんて絶対できるはずがない」「諦めろ」というお言葉もいただきましたが、そのつど「無理かもしれませんが精進いたします」と笑顔で返し、あとで高座で笑い話に変えてネタにして昇華しています(笑)。妊娠報告をして責められるというこのような風潮を少しでも変えていかないと、仕事をしながら子どもを産み育てたい方は増えませんよね。 ── 人前に立つこともそうですが、ライトが当たっていない部分でも強いメンタルが必要とされますね。
貞鏡さん:私は今でも小心者で、講談師になるまでは人前で話をするなんてもってのほかでした。あがり症で、学芸会ではなるべく目立たないように、後ろに立っている木ですとか、セリフがない役を選んでいましたし、こんな私が父の跡を継ぐとは誰も思っていなかったと思います。実は今でも毎回、高座の前は心臓がバクバクして吐きそうなくらい緊張しています。 修業中、先輩から「あなたは気が利かないし、不器用。あなたの後輩にはできてあなたにできないってことは、この世界に向いていないから早く辞めてしまいなさい」「この世界にいても、売れっ子ない」と言われることもありました。言葉の力というものは大きく、そのたびにメソメソして、「やっぱり私は何をやってもダメなんだ」と何度も何度も落ち込みました。
── 舞台に立つ姿からはそんなことを微塵も感じさせないのですが、貞鏡さんの支えとなっているものはなんですか。 貞鏡さん:応援してくださるたくさんのお客さまの笑顔、お声、出演のお声をかけてくださる会を主催の方、親身になって支えてくださる芸人の先輩後輩、そしてやはり、父の存在が大きいです。父は仕事で忙しく、平日の日中はお稽古や高座、土日は地方での高座と、小さいころはほとんど関わる時間がなかったので、父がどんな人なのかあまり知らずに育ってきました。この世界に入って初めて、父親でもあり師匠でもある父と、しっかり向き合えたように思います。
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