「女だからできねぇよ」講談師・七代目一龍斎貞鏡(38)4人の子どもの妊娠報告のたびに「何やってるんですか」と言われ涙した過去も
父は一挙手一投足を教えるのではなく、俺の背中を見て覚えろという気質でした。絶対に嫌なことは「嫌だ。ダメだ」とはっきり言いますが、普段は事細かに言わず寡黙の人で、注意されるということもほとんどなく、「その調子でいいんじゃないか」というふうに加点方式で見てくれていたように思います。 私の高座を聞いて「あの言い方は、俺はちょっと好きじゃないな」とたまに言われることはありました。「ダメだ、やるな」というのではなく、「俺は好きじゃない」と、ぼそっというのが父の言い方で。そんな父を3年前に亡くしましたが、周りからなんと言われようと、父の格好いい姿を私が必ず継ぐという強い気持ちがあったので、この世界に踏みとどまって踏ん張り続けてこられていると思います。
PROFILE 一龍斎貞鏡さん いちりゅうさい・ていきょう。実父に講談師八代目一龍斎貞山、祖父に七代目一龍斎貞山、義祖父に六代目神田伯龍を持ち、世襲制ではない講談界に於いて初の三代続いての講談師。連続物などの古典演目の他、ピアノを弾きながら講談を読むピアノ講談、子ども向けの紙芝居講談など新たな挑戦も行う。現在、4児の母として芸道と子育ての両立に適進中。 取材・文/内橋明日香 撮影(サムネイル)/ヤナガワゴーッ! 写真提供/一龍斎貞鏡
内橋明日香
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