ロシアのウクライナ侵攻、イスラエルのガザ攻撃が気候危機に大きなインパクト 紛争開始18カ月でベルギーのGHG排出量を超えたウクライナ侵攻
気候変動対策は、恒久平和への見通し
デ・クラーク氏らの報告書について、武力紛争や軍事の環境的側面を監視する英国の組織、コンフリクト・アンド・エンバイロメント・オブザーバトリーを率いるダグ・ウィアー氏は、戦争が世界的なGHG排出量にどう影響しているか、真剣に目を向けた初めての報告書と評価していることを、政治を中心としたニュースを掲載する米国オンライン新聞『ポリティコ』が報じる。 また、世界のニュースを伝える米国のオンラインメディア『セマフォ―』は、イスラエルのガザ攻撃を踏まえ、米ワシントンDCを拠点とする中東研究専門機関、中東研究所(MEI)の「気候変動への対処が平和と安定につながる」という意見を今年初めに掲載した。 「気候変動対策は、恒久平和への見通しと切っても切れない関係にある。片方が進展すれば、もう片方も進展する。気候変動は脆弱な地域にとり、大きな脅威だ。しかし、排出量を削減し、適応策を強化すれば、資源への圧迫が緩和され、安定性を高めることができる」とMEIは主張している。
文:クローディアー真理 /編集:岡徳之(Livit)