「高齢者の物忘れ」は訂正してあげるべき? 認知症が疑われるときの接し方
高齢の家族の物忘れや性格の変化に気づき、心配している方は多いのではないでしょうか。介護のプロに話を聞くと、家族が認知症を疑っても、病院で診断されないケースがあるそうです。本稿では『PHPくらしラク~る♪』より、認知症が疑われる家族との接し方についてご紹介します。 【マンガ】「要介護認定」の調査で、家族が注意すべきこととは? ※本稿は、『PHPくらしラク~る♪』2024年9月号より、一部を抜粋編集したものです。 ------------------------- おばあ:松原文子(90歳) 1934年生まれ。大工の棟梁の夫と若い衆、子や孫に料理を作り続けてきた。近年パーキンソン病を発症し、孫の手助けが必要に。料理や介護に奮闘する孫に感謝しつつも、感想は率直で手厳しい。 孫:大迫知信(40歳) 脱サラ後、おばあが作るちょっと変わった料理に支えられ、念願だった物書きに転身。著書『おばあめし』(清流出版)を出版。おばあが台所に立てなくなってからは、自らが作る"まごめし"を出している。 ・ブログ「おばあめし」 https://obaameshi.com/ ・Instagram https://www.instagram.com/obaameshi/
僕の名前、まちがってるで、おばあ!
【介護のプロに聞いてみた】 ――家族が認知症を疑っても、病院で診断されないことはよくあるのでしょうか? それがけっこうあるんですよ。うちの施設でも、認知症と診断されていない方が、自分の部屋がわからなくなったり、話の辻褄が合わなかったりすることも。穏やかだった方が怒りっぽくなることもありますね。どれも認知症の症状のようですが、本当に病気なのかどうかは医師の診察を受けるしかありません。 その結果、文子さんのように"年相応"ということもありますし、別の病気が隠れていることもあります。家族が認知症と思っていたらうつ病と診断され、怒りっぽくなった性格が薬で改善した方もおられます。認知症の一歩手前の軽度認知障害の場合は改善できるので、心配なら早めに受診することがおすすめです。