金融アナリストが指針にする10の相場格言に投資家心理を学ぶ
7.「休むも相場」
相場には上昇期、下落期、そして読めない停滞期があります。判断に迷った時や、方向性が見えないときには無理に売買をせず、休むことも一つの戦略です。休んで市場の動きを冷静に見極めることで、より良い判断を下すことができる場合があります。これもまた、リスクを管理するための大切な教えです。私も投資が大好きですが、「負けが続いてしまっているときは、リベンジトレードになりがちなので損益が出やすい」「勝ちトレードが続いている時も強気になりやすいので注意が必要」「自分が疲れているときは売買の判断が狂いやすいので勝率が良くない」など経験則でも休みは必要だと実感しています。
8.「二度に買うべし、二度に売るべし」
一度にすべての資金を投入せず、分割して売買を行うことでリスクを分散することを勧めています。市場の動きは予測が難しく、全資金を一度に投じてしまうと、予想外の動きに対応できなくなることがあります。売買を複数回に分けることで、リスクを軽減しつつ、チャンスを最大限に生かすことができます。
9.「遠くのものは避けよ」
日頃からよく知っている企業や商品、地域に投資すべきだという教えです。遠くの知らないものや、自分に馴染みのない分野に投資をするのはリスクが高くなるため、理解できる範囲の投資対象に絞ることが重要です。特に初心者は、情報の少ない、あるいは信頼性の低い投資先を避け、よく調査できるものに焦点を当てることで、リスクを減らすことができますし、決算説明書等も読みやすいと思います。
10.「卵は1つのカゴに盛るな」
この格言は最も有名な相場格言の1つで、投資におけるリスク分散の重要性を示しています。全ての資産を1つの投資対象に集中させると、その対象が大きく値下がりした場合に大きな損失を被る可能性があります。そのため、異なる資産や市場に投資を分散させることで、リスクを分散し、どこかで損失が出ても他の投資で補うことができます。 相場格言は投資家にとって先人の貴重なアドバイスのような側面もあるように思います。自分なりの投資戦略を立て、ニュースやデータをチェックしたうえで、これらの格言を参考にすることで、より賢明な投資判断につながるかもしれません。この記事が皆様の投資の参考になれば幸いです。
三井 智映子(金融アナリスト)