金融アナリストが指針にする10の相場格言に投資家心理を学ぶ
3.「もうはまだなり、まだはもうなり」
この格言は、投資家の心理をついたものです。「もうこれ以上は下がらないだろう」と思ったときには、さらに下落する可能性があるという意味で、逆に「まだ上がるだろう」と思ったときには、すでに相場が反転することがあります。これは、感情的な売買を戒め、冷静な判断が重要であることを示唆しています。
4.「恐怖の時には買い、欲望の時には売れ」
この格言は、「逆張り」の重要性を強調しています。市場が恐怖に包まれている時こそ、冷静に見ると割安な株が多く存在し、そのタイミングで購入することが成功につながることがあるという教えです。リーマン・ショックやコロナショックの際に、市場が暴落している中で買いに出た投資家は、その後の回復で大きな利益を得た例が多くあります。ただ恐怖を呼ぶような値動きになる前に、普段から相場を見て、銘柄をチェックして、このくらいの水準になったら、この銘柄を仕込みたいなど準備をしておくことがポイントになります。また相場全体のポジションの偏り(買っている人が多く強気相場の時は下げ始めると大きく崩れる可能性があるなど)もチェックする必要があるでしょう。
5.「落ちてくるナイフは掴むな」
相場が急落しているとき、安値で買おうとする投資家は多いですが、この格言はそうした行動を戒めています。急落中の銘柄を買うことは、さらに損失を拡大するリスクが高いとされています。株価が安定し、底打ちを確認してから投資する方が安全だという意味です。慌てて買うことは利益にはつながりにくいといえます。「恐怖の時には買い、欲望の時には売れ」と相反するように思える方もいるかもしれませんが、急落の際に買うのであればチャートの底打ちを確認してからでも遅くないということです。
6.「噂で買って事実で売る」
業績アップや企業の好材料の噂が広がると、株価は上昇しやすいものです。しかし、実際の決算や事実が発表された後には、材料が出尽くして下落に転じることが多いです。例えば良い決算が出ても、事前の期待が高く、既に上昇した後は売られることもあるでしょう。また今月のFOMCでは、直前に0.5%の利下げの可能性が高まり、ドル円がそれを織り込んで下落をしていたことから、実際に0.5%の利下げが決定した後ドル円は反発しました。値動きに対して事前に心構えしておくだけでも対処力は上がると考えます。