実現すれば『熊本市政初』市役所建て替え賛否問う「住民投票」求め2万人超の署名提出 今後の流れは?
熊本放送
熊本市役所の建て替えの賛否を問うため、住民投票を行うべきだと訴える市民団体が、2万人を超える署名を提出しました。今後、住民投票は実施されるのでしょうか。 【写真を見る】くわしく図解「住民投票」実施までの流れ 熊本市役所の建て替えを巡って、熊本市は本庁舎を「NTT桜町ビル跡地」に、中央区役所を「花畑町別館跡地」に建て替える方針を示していて、今年(2024年)9月の定例市議会では関連予算案が可決されています。 そんな中、「建て替えの賛否を問うため、住民投票を行うべきだ」として、市民団体が11月16日まで署名活動を実施。11月26日、集めた署名を熊本市内5つの区の選挙管理委員会に提出しました。 市民団体によりますと、集めた署名は2万384人分。住民投票の実施を市に請求するために必要な、約1万2000人分を超える署名が集まったということです。 熊本市新庁舎建設の賛否を問う住民投票をすすめる会 西川文武代表「これだけ集まったということは、市長も市議の方も重く受け止めて欲しい。私たちの声を無視するようなことはあってはならないと思います」 今後、選挙管理委員会によって署名の有効性が審査されます。 ■「住民投票」実施するには 住民投票を実施するには条例の制定が必要になります。そのためには熊本市の有権者の50分の1、約1万2000人の署名が必要で、今回提出された署名数はその数を上回っています。 ■まだ“決定”ではない 今後、集まった署名の有効性が審査されます。例えば、名前の重複がないか、実在する有権者かどうかなどの確認です。 実際に約1万2000人を超えた場合は条例の制定を正式に請求することができます。大西一史(おおにし かずふみ)熊本市長は20日以内に臨時議会を招集し、そこで過半数が賛成すれば住民投票の実施となります。 ■実現の可能性は? 議会は、今年9月に建て替えの関連予算をすでに可決しています。RKKの取材では、建て替えに同意している主要会派の中には、このタイミングでの住民投票に難色を示す議員もいます。
一方で、建て替えに慎重な立場をとる議員からは「署名が集まったことは非常に重く、議員としても簡単には否決できない。住民投票の結果を見て進めるべき」という意見もあります。 住民投票が実施されれば、熊本市が1889年に誕生して以来初めてのことになるということです。市にとって最善の選択とは。今後の動きが注目されます。
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