百花繚乱のウイスキーを楽しめるボトラーズの世界
ここからは、有名かつ筆者が大好きな有名ボトラーズを10、紹介します。もしバーで見かけたら、お気に入りの蒸留所の銘柄を飲んでみてください。 ■1. ゴードン&マクファイル(Gordon & MacPhail) 1895年創業のスコットランド老舗インディペンデントボトラーです。家族経営を貫き、独自の樽管理で希少なシングルモルトを熟成。豊富な蒸留所との関係から高品質なウイスキーを多彩に展開します。 ■2. ケイデンヘッド(Cadenhead's) 1842年創業のスコットランド最古のインディペンデントボトラーです。非冷却濾過と無着色にこだわり、原酒本来の風味を重視。多様な蒸留所の希少なシングルモルトを幅広く提供し、独自のボトリングスタイルでも知られています。 ■3. ダグラスレイン(Douglas Laing) 1948年創業の家族経営ボトラーです。小ロットやシングルカスク中心の職人技が魅力で、ユニークなブレンドシリーズも展開。特に「オールドモルトカスク」など個性的なシリーズでファンを獲得しています。 ■4. シグナトリー・ヴィンテージ(Signatory Vintage) 1988年創業の比較的新しいインディペンデントボトラーです。シングルカスクやカスクストレングスに特化し、多様な蒸留所から厳選した樽をボトリング。品質重視の製品づくりで人気を集めています。 ■5. ハンターレイン(Hunter Laing) 2013年創業の家族経営ボトラーです。ダグラスレインから分離独立した新進気鋭の存在で、シングルカスクや高品質ブレンデッドウイスキーを手がけます。独自の熟成手法で個性豊かなウイスキーを生み出しています。 ■6. ダンカンテイラー(Duncan Taylor) 1938年創業の老舗ボトラーです。閉鎖蒸留所の希少原酒を数多く保有し、ヴィンテージウイスキーのボトリングで高評価を得ています。多彩なラインアップが魅力で、コレクターからも注目を集めています。 ■7. ブラックアダー(Blackadder) 1995年創業のボトラーです。ノンチルフィルターや無着色、そして樽出しそのままの「Raw Cask」シリーズで有名。ピュアなウイスキー体験を追求し、個性的な風味を楽しめる点が大きな特徴です。 ■8. スコッチモルトウイスキーソサエティ(The Scotch Malt Whisky Society, SMWS) 1983年創設の会員制団体です。シングルカスク限定のウイスキーを提供し、ボトリングはすべてカスクストレングス。ユニークなテイスティングノートや多彩なラインアップで愛好家を惹きつけています。 ■9. サマローリ(Samaroli) 1968年創業のイタリアのボトラーです。斬新な熟成哲学や芸術的なラベルデザインで知られ、スコッチウイスキー界に革新をもたらしました。希少性の高い原酒を独自に選び抜き、世界的評価を得ています。 ■10. T&T TOYAMA 2021年創業。富山県を拠点にする日本の新興ボトラーです。モルトヤマの下野孔明氏と若鶴酒造・三郎丸蒸留所の稲垣貴彦氏による共同プロジェクトであり、世界で初めてジャパニーズウイスキーに特化している点が特徴です。 ――――― ボトラーズはコレクター視点で希少ボトルを探すという楽しさがあり、筆者も飲みきれるのかわからないほど買い集めています。また、ラベルにこだわっているものが多く、見た目から楽しめます。自宅の棚に並べておくだけでも特別な気分になるでしょう。ボトラーズの世界は奥深くて、美味しくて、楽しいので、ウイスキー好きであればぜひ試してみましょう。 ■ 柳谷智宣 やなぎや とものり 1972年12月生まれ。1998年からITライターとして活動しており、ガジェットからエンタープライズ向けのプロダクトまで幅広い領域で執筆する。近年は、メタバース、AI領域を追いかけていたが、2022年末からは生成AIに夢中になっている。 他に、2018年からNPO法人デジタルリテラシー向上機構(DLIS)を設立し、ネット詐欺の被害をなくすために活動中。また、お酒が趣味で2012年に原価BARを共同創業。
柳谷智宣