百花繚乱のウイスキーを楽しめるボトラーズの世界
■オフィシャルとは異なる仕上がりを楽しめるのが魅力 ボトラーズの多くは、ラベルに詳細な情報を記載していることが多く、それを見るのも楽しみのひとつ。原酒を作った蒸留所名や蒸留年月、瓶詰め年月、熟成年数に加え、熟成に使った樽やその製品の製造数と製造番号も書かれていることがあります。オフィシャルボトルとは一線を画すポイントです。 好きなウイスキーのボトラーズを飲むのは何よりも楽しく、いい経験になります。異なる業者が入って、余計な手間がかかっているので、ボトラーズは高そうに思えますが、同じ熟成年数であればそこまでプレミアが付くことはありません。比較的安くなっていることのほうが多いのではないでしょうか。もちろん、仕上がり具合やボトラーズによって価格が上がることはあります。 どうやって飲めばいいのか、と聞かれることが多いのですが、基本的には自由に飲んでかまいません。とはいえ、貴重なボトラーズウイスキーを飲むのであれば、ほんの少しだけ加水するとよいでしょう。数滴から最大でもウイスキーと同量までです。それ以上加水するとウイスキーのアロマが薄まってしまうことがあります。 筆者は基本的にストレートで飲みます。アルコール度数が高いので、チェイサー(水)はたっぷり飲むべきですが、ウイスキーを口に入れて楽しむときは濃い目がおすすめです。
■まずはチャレンジ! お気に入りのボトラーズを見つけよう 同じ蒸留所の原酒を使っているのに、オフィシャルのウイスキーとボトラーズのウイスキーは驚くほど味わいが変わります。そして、異なる蒸留所の原酒を使っているのに、老舗ボトラーズは製品に一貫した雰囲気を持っています。ボトラーズとしてのこだわりが熟成に反映されており、味わいや香りに特徴があるのです。 まずは、お気に入りの蒸留所のボトラーズを飲んでみて、気に入ったらそのボトラーズのほかのウイスキーを飲んでみましょう。オフィシャルはいまひとつ好みではないと感じても、最高に相性の合うボトラーズに仕上がっているかもしれません。 ボトラーズはウイスキー蒸留所の数より多いので、覚えきれるものでもありません。中身がわかりにくいボトラーズもあります。 例えば、契約上の問題などで、購入した原酒の蒸留所をボトラーズのラベルに記載できないことがあります。詳細情報を記載できず、商品名も変えなければなりません。また、スプーン1杯分、別の蒸留所のウイスキーを混ぜることで「シングルモルト」を表示できなくする手も使われます。このウイスキーをティースプーンモルトと呼びますが、原酒が99%以上入っているので、味わいはほぼ変わりません。バーテンダーやショップの人に聞いてみるとよいでしょう。