【時系列でわかる⑤】イスラエル首相「ハマスとの戦いはやめない」停戦には応じない考え(25日~30日)
■10月28日 イスラエル・ネタニヤフ首相「戦争の第2段階で、長く困難なものになる」
イスラエルのネタニヤフ首相は、パレスチナ自治区ガザ地区での地上部隊による作戦について、「戦争の第2段階で、長く困難なものになる」と述べました。 ネタニヤフ首相は28日夜に会見し、「ガザ地区の地上作戦は戦争の第2段階で、長く困難なものになる」とした上で、「人質救出のためにあらゆる努力を払う」と述べました。 一方、ロイター通信によりますと、ハマス側は「イスラエルで投獄されているパレスチナ人全員を解放した時のみ、全ての人質を解放する」としています。 今回のガザ地区での地上部隊の作戦拡大について、イスラエル軍は戦闘機およそ100機で大規模な空爆を行い、ハマスの地下施設やインフラなど150の標的を攻撃した上で、戦車がガザ地区内に入り、戦闘を有利に進めているとしています。さらに、ハマスの司令官らを殺害したと明らかにしています。 イスラエル軍は28日も、部隊や戦車がガザ地区に残って作戦を継続していて、ハマス側と激しい戦闘が行われているものとみられます。 一方、ハマス側は、AFP通信の取材に対し、「一晩で数百もの建物が破壊され、ガザ地区北部の景観が一変した」と、被害が甚大であることを認めました。 また、ガザ地区の保健当局は28日、約400人が死亡し、これまでの死者数は7700人を超えたとしています。 こうした中、中東のトルコでは、イスラエル側の攻撃に対する大規模な抗議デモが行われ、数十万人が参加しました。 デモを呼びかけたエルドアン大統領は、「ハマスはテロリストではなく、ネタニヤフ首相がテロリストだ」と述べた上で、「イスラエルは中東の占領者だ」と強く非難しました。 ガザ地区での民間人の犠牲が増え続ける中、アラブ諸国をはじめとして、世界各地でこうした抗議デモが広がっています。
■10月29日 イスラエル軍「緊急の要請」ガザ地区住民に南部への避難呼びかけ
イスラエル軍はパレスチナ自治区ガザ地区の住民に南部への避難を呼びかけ、「これは緊急の要請だ」と強調しました。 イスラエル軍のハガリ報道官は29日夜の会見で、ガザ地区北部の住民に改めて南部への避難を呼びかけ、「これは緊急の要請だ」と強調しました。また、ガザ地区で人質となっている人数は239人にのぼるということです。さらに29日の空爆で「現場で指揮を執っていた数十人のテロリストが死亡した」と明らかにしました。 イスラエル軍はSNSにガザ地区の海岸を進む戦車とみられる写真とともに、「海岸で確認されたテロリストや攻撃してきたテロリストを排除した」と投稿していて、戦闘規模を徐々に拡大し、イスラム組織ハマスの壊滅を目指しているものとみられます。 こうした中、アメリカのバイデン大統領とイスラエルのネタニヤフ首相が29日、電話会談しました。ホワイトハウスはバイデン大統領が、ハマスとの戦いを「民間人の保護を優先する国際人道法に合致した方法で行う」よう改めて求めたとしています。 また、バイデン大統領はエジプトのシシ大統領とも電話会談し、両者は29日からガザ地区への人道支援を大幅に増やすことを約束したということです。