47秒台突入で「五輪本番も決勝狙う」 成長とまらぬ豊田兼 陸上400障害代表内定
圧巻の走りでパリ五輪の切符を勝ち取った。陸上の日本選手権男子400メートル障害の豊田兼は、前半から力強い走りで他を引き離し、勢いは最後まで衰えなかった。日本歴代3位となる47秒99をマークして勝ち切り、「目標だった優勝とパリの切符を獲得することが達成できて非常にうれしい」と笑みがこぼれた。 【写真】日本歴代3位の47秒99で初優勝した豊田兼 高いレベルで400メートル障害と110メートル障害の〝二刀流〟をこなす異色の選手。1種目に絞ればより濃密な練習ができるかもしれないが、「新しいロールモデルを目指したい。2種目の相乗効果でいい調整になったかもしれない」。今大会も両種目にエントリーし、両立への思いは強い。 パリ五輪が行われるフランスは父親の母国で、「なじみのある国で開催されるのはモチベーションになる」と視界に入れてきた。成長は著しく、昨夏の世界ユニバーシティー大会の110メートル障害で金メダルを獲得すると、昨年10月には400メートル障害で48秒47を記録し、参加標準記録(48秒70)を突破。タイムはついに47秒台に突入した。 伸び盛りの21歳は成長の歩みを止めるつもりはない。五輪本番でも「決勝を狙う」と言葉に力を込め、「今日のレースを再現する勢いで、47秒後半、47秒5台までタイムを縮めていきたい」。夏の大一番へ、気持ちを高ぶらせた。(小川寛太)