【宇佐美貴史不在のガンバ大阪が天皇杯決勝で直面したもの(1)】「言い訳はしたくない」とポヤトス監督は言うも、守備の大黒柱は「貴史君がいないと点が取れない課題が出た」と指摘
■失点数はクリアしているものの…
失点数は2023年の61から、ここまで36試合で34まで激減しており、中谷がシーズン途中に語っていた「1試合平均1失点以下」を今のところクリアしている。この日の神戸戦を見ても、失点シーン以外はほぼ大迫や武藤にやられることはなく、リスタートの場面でも不用意にマークを外したりもしなかった。中谷のリーダーシップと守護神・一森純の存在が非常に大きいのは紛れもない事実。彼らが奮闘している分、得点力不足がより一層、鮮明になってしまうのだ、 「今日の試合は宇佐美さんがいなくて、やっぱ自分がやらないといけない、自分が点を取らないとっていう思いもありましたし、やっぱそこで決めきっていかないと頼れる選手になっていかないと思う、やっぱこういう舞台でもしっかり結果を残していける選手に今後、なっていきたいと思います」 成長株の坂本は神妙な面持ちで語っていたが、彼と宇佐美以外にもう1~2枚は明確な得点源がほしいところ。今季ガンバの総得点45というのは、下位に沈むアルビレックス新潟やジュビロ磐田と同じ水準というのは重い事実だ。そこを改善していかない限り、タイトルに手が届かない。そのあたりは来季以降の大きな課題と言っていい。 「やっぱ勝負強さっていうのは神戸の方があったと思うし、相手も前半からチャンスがない中でああいう一発で決め切った。その差はあるかなと思ってます」と大ベテランの倉田秋も話していたが、その勝負強さをどう研ぎ澄ませていくのか。ガンバは悔しい敗戦を糧にしていくべきだろう。 (取材・文/元川悦子) (後編へつづく)
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