【香港スプリント みどころ】新怪物候補・カーインライジングが断トツ人気 日本馬3頭は牙城を崩すことができるか
今年も香港が熱く燃える日がやってくる―― 世界中のホースマンたちの目がシャティン競馬場に向けられる日が。競馬界の冬の風物詩である、香港国際競走の開催が間もなくに迫っている。 【ガチ予想】2歳牝馬チャンピオン決定戦「阪神JF」をガチ予想!キャプテン渡辺の自腹で目指せ100万円! メインである香港カップを筆頭に、スピードキングを決める香港スプリント、世界最強マイラーが決まる香港マイル。 そして、クラシックディスタンスの王者を争う香港ヴァーズというそれぞれの距離での国際GⅠ4戦には例年、世界各国からトップホースが参戦することでも知られ、日本からも今年は総勢9頭が参戦する。
日本時間15時50分ごろにスタートする香港スプリント。 地元の香港馬が圧倒的に強いことで知られ、過去10年で9勝。それだけに日本馬は苦戦を強いられる形となっているが…… 日本からやってきた3頭はすべて今年開催された重賞を制した実力馬たち。それだけに一矢報いる可能性は十分にある。 その中でも筆頭格はスプリンターズSを制したルガルだ。 3歳時から芝の短距離路線に照準を絞ると、葵S2着、古馬相手の京阪杯2着と堅実な成績を残して今年は年明け緒戦のシルクロードSを勝利して重賞初制覇。 この勢いで臨んだ高松宮記念は1番人気に支持されるもレース中の骨折の影響があったのか、10着に大敗。 浮き沈みの激しいキャリアとなったが、復帰戦となったスプリンターズSでは前半3ハロンが32秒1というかなり速い流れになったにもかかわらず、3番手から追走して押し切るという強い内容で快勝。短距離界の新たな王となった。 ダート戦での勝ち鞍があるようにシャティンのような力の要る馬場はむしろ得意な部類と言えるだけに、今回も積極的に動ければ勝機はあると見た。 そのスプリンターズSで2着だったトウシンマカオも参戦。 3歳時から京阪杯を制するなど短距離重賞では存在感を発揮していた実力馬が5歳と迎えた今年、完全に開花。 オーシャンSを好位抜け出しで先行馬たちを捕らえて勝ち切ると、9月に行われたセントウルSでは前年のスプリンターズS勝ち馬のママコチャを相手に差し切り勝ち。 スプリンターズSでは惜しくも2着だったが、勝ったルガルとはクビ差の接戦。流れひとつで逆転できただけに、冬のシャティンでリベンジを果たしたい。 そんな2頭とともに挑むのがサトノレーヴだ。 高い素質を持ちながらも体質の弱さがあり使い込めなかった馬だが、5歳の今年からレースに復帰するとそのポテンシャルの高さを見せつける形で春雷Sから破竹の3連勝。中でも函館スプリントS、キーンランドCも立て続けに制してみせた。 ここまで9戦7勝。スプリント重賞2連勝という勢いを買われてスプリンターズSでも1番人気に支持されたが、直線で伸びずにまさかの7着完敗。 GⅠの壁を感じさせたのは確かだが、速すぎる時計についていけなかったのが敗因。今回は巻き返しの可能性を十分に感じさせる。 だが、そんな日本馬3頭の存在が伏兵に追いやられるほど、今年も香港馬たちの力が抜けている。その中でも大きな評価を受けているのがカーインライジングである。 スタートからスッと前に付けていける素軽い先行力に加え、鞍上のゴーサインに瞬時に反応できるというレースセンスの高さでここまで10戦8勝。 この秋は9月から戦線に復帰すると、破竹の勢いで2つのGⅡレースを含む3連勝を飾り、通算で7連勝を達成。香港短距離界の新たな怪物候補として高い注目を集めている。 中でも圧巻だったのは前走の香港ジョッキークラブスプリント。 3番手から流れに乗って直線に入ると、早々と先頭に立って後続を突き放すという快勝。 最後は流して走るという余裕を見せながらもコースレコードを記録した。それだけの強さを誇るだけにここも通過点とするかもしれない。 カーインライジングの他にも昨シーズンの香港での最優秀短距離馬となったカリフォルニアスパンクル、毎回上位に食い込んでいる安定株のヘリオスエクスプレスらも強敵。 日本馬3頭は香港馬たちの牙城を崩すことができるだろうか。 ■文/福嶌弘
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