侍初選出のロッテ・佐藤が捕手として自信得たキューバとの死闘 なぜ7-6の九回1死満塁のピンチを切り抜けられたのか
侍ジャパンに初選出されたロッテ・佐藤都志也捕手(26)がプレミア12で躍動した。刺激的な日々の中で、特に印象深かったのは「9番・捕手」で出場した17日・キューバ戦だという。7-6の九回1死満塁と緊迫した場面でのリードを振り返った。 侍ジャパンの一員として過ごした1カ月。佐藤は充実の笑みを浮かべていた。20日の東京ドームでの公式練習では「最初はチームメートとちょっと『ウッ』て感じだったんですけど、今はもう、結構雰囲気の中でできている。いろんな、レベルの高い選手もいるので、話を聞きながら自分のものにできたら」と話し、刺激的な日々に満足そうな表情を見せた。 特に印象深かったのは台湾で行われた17日・キューバ戦だという。「9番・捕手」としてスタメンマスクでフル出場。最終的には5人の投手をリードし、1点差で勝ちきった試合だ。 緊迫した場面は楽天・藤平とバッテリーを組んでいた7-6の九回だった。1死から連打を浴びマウンドへ。「今何投げられる?って話をした」といい、「フォーク、スライダーどっちがいい?って聞いてフォークいけますと」。打ち合わせ通りフォークを要求したが、初球が死球となり「うわ、こいつ、うそつきやがったなって(笑)。自信あるって言って、これかよ!って」と冗談交じりに振り返った。 ピンチは拡大し、1死満塁。「いけねえじゃんって思ったけど、いくしかないっていう場面だった」。続く打者は5球全球直球で空振り三振。最後の打者も直球攻めからフォークを落とし空振り三振でゲームセット。ミットを力強くたたき、ガッツポーズ。「なんでもいいから、止められるから来いよっていう気持ちが藤平にも伝わった。勝ち切れたのは、良い経験になった」と、捕手としての自信を得た。 大会中は打撃でも貢献した。打率・455をマークし、“打てる捕手”としての実力を発揮した。レギュラーシーズンは116試合に出場し、打率はキャリアハイの・278。「バッティングに一番力を入れて結果が出た」と手応えを感じていた。マリーンズの正捕手の座をつかみ、国際舞台でも躍動。さらなる飛躍へ来季も走り続ける。(デイリースポーツ・南香穂) ◆佐藤 都志也(さとう・としや)1998年1月27日生まれ、26歳。福島県出身。181センチ、86キロ。右投げ左打ち。捕手。聖光学院から東洋大を経て、19年度ドラフト2位でロッテ入団。20年6月25日・オリックス戦(ZOZOマリン)でプロ初出場(代打)。24年は116試合で打率・278、5本塁打、45打点。ベストナイン1回(24年)。24年プレミア12日本代表。