「コイツからかってんなって(笑)」米国人夫と結婚15年の長山洋子(56)今でも毎日「なんでそんなに綺麗なの」
── ダメな理由と思いをしっかり伝えることで、子どもの納得感も高まりますね。 長山さん:わが家では、それをしていいかどうかを決めるときに、「世間の常識だから」という考え方はしないんです。逆に、友達のお父さんお母さんがみんなダメと言っているけれど、わが家の考え方としてはやってもいいよということもあります。実際に、それで娘が私たちの信頼を失うようなことをしたことは1回もないんです。
■誰より早くわが子に携帯電話「うちはうちだから」 ── たとえば、どんなことでしょう? 長山さん:携帯電話は、わりと早い時期から持たせていました。周りの友達は誰も持っていなかったけれど、「ママたちがいいと判断したから気にしなくて大丈夫だよ」と。もしかしたらほかの親御さんからは「スミスさんちは、ちょっと早すぎるわよね」と言われていたかもしれないけれど、「うちはうちだから」と思っていました。 ── 日本では、周囲に同調をして行動を決めるというケースも多いです。自分たちの意思を貫くスタイルは、ご主人が外国の方というのも影響しているのでしょうか。
長山さん:娘はインターナショナルスクールに通っていて、周囲にも外国の方が多いのですが、皆さんがそういうわけではないので、あまりそれは関係ないかもしれません。ただ、周りに振り回されずに、自分たちがどうしたいかを決めるには、夫婦でしっかり考え、とことん話すことが大事だと思っています。「なぜ?」の理由が明確じゃないとブレてしまって、子どもに納得してもらえませんし。 ── 娘さんが「携帯を持ちたい」と相談してきたときは、どんなふうにお話しされたのですか?
長山さん:いろいろと話す前に、夫が「はい」って普通に渡していましたね。それだけ子どものことを信用しているんだなと思います。しかも、子ども用の携帯じゃなくて、いきなりiPhoneでしたし。 ── ネットのトラブルやいじめの問題など、早い時期から携帯を持たせることを不安視する親も多いですが、そのあたりはいかがでしたか? 長山さん:不安はなかったですね。子どもとの信頼関係ができていましたし、携帯の中身に関しても、夫が細かく関与していて、「これはどうしたの?」などと、その都度いろいろ確認しているようです。娘も嫌がることもなく、オープンに話していますね。親が最初から疑っていたら、子どもだって隠すようになると思うんですよね。だけど、その一方で、「うちの子に限って」という考えは危ないので、盲目的にならないように、私自身も気をつけてはいます。