ついに上場、東京メトロの株は「買い」か?「類似の上場例」から導いた「結論」
鉄道関連銘柄を狙うなら
そのなかでとくに注目したいのが、京浜急行電鉄(9006)だ。PERは18倍前後、PBRにいたっては1倍を割り込んでいる。 そして京浜急行の強みは羽田空港に乗り入れている点だ。 東京メトロは南北線が品川駅に延伸する計画を持っている。もし品川駅に南北線がつながったら羽田空港への人の流れが少しは変わるだろう。 羽田空港へ行くにはだいたい京浜急行羽田線を使うか、東京モノレールを使うかだ。 もし南北線が品川へ接続するようなことになれば、東京モノレールを使っていた利用客のうち一部は京浜急行に流れると推察される。 これは東京メトロにも、南北線を使う利用客増で恩恵がある。 南北線の品川駅接続は2030年代とかなり先。しかも利用客が増えるといっても、全体の売上からは微小かもしれない。しかし、投資家はこういったことを「買い材料」とするので、けっして無視できない。 また電鉄会社以外にも関連銘柄はいくつもある。 鉄道信号関連の大同信号(6743)や日本信号(6741)、鉄道分野の建設に強みを持つ鉄建建設(1845)などにも注目したい。 東京メトロの上場は、国と東京都が売り出し、ひさびさの大型IPOということで注目を集め、影響も大きい。その影響を見極めて最適な投資行動を採りたい。
安恒 理(ライター)