センバツへ向けて龍谷大平安 その姿、もはや「修行」 /京都
甲子園初出場から1世紀近く強豪であり続けている龍谷大平安。練習は当然厳しく、ある意味「前時代的」にも見える。 守備練習で決まり事に従った動きができなかったり、打撃練習で以前のアドバイスを実行できていない、といった姿を見せると原田英彦監督や責任教師の森村俊輔コーチから容赦ない叱責が飛ぶ。直立不動の姿勢で、大声で「はい」とただ叫びながら聞く選手たち。「なぜできなかったのか」という後悔の念が表情に浮かび、グラウンドに緊張感が張り詰める。それが終わると再び、選手たちのかけ声が山裾のグラウンドに響きわたり、時間が動き出す。 なぜ自ら望んでこの練習環境を選ぶのか。選手誰もが口にするのは、「平安へ進学するからには、野球で成功したい」という強い思いだ。その覚悟があるからこそ「修行」とも思える毎日に耐えられる。厳しさの根底に流れる指導陣の「一人前になってほしい」という大きな愛情も感じながら。【矢倉健次】