「子どもからもらった風邪は重症化する」は本当? 内科医が解説
子どもは大人に比べて発熱したり、風邪を引いたりしやすく心配になります。看病しているうちに風邪がうつり、つらい思いをした経験がある人は少なくないでしょう。「子どもからもらった風邪は重症化する」という噂を耳にしますが、本当なのでしょうか。内科医の佐藤留美医師に詳しい話を伺いました。 【写真】家族で共有してはいけないアイテム 覚えておきたい5点セット ◇ ◇ ◇
子どもからもらった風邪で家族全員が…
「子どもからもらった風邪は重症化する」というのは、本当なのでしょうか。まずは子育て中の2人の女性に、リアルな現状をお聞きしました。 話を聞いたのは、現在4歳と2歳の2人の息子さんを育てる田中梨花さん(仮名・30代)。上の子も下の子も保育園に通っており、交互に感染症をもらってきては、家族の中で広がっているそう。 「子どもとの接触は母である私のほうが多いのですが、私より夫のほうがうつりやすく、よく重症化しています。症状が長引いて、本調子に戻るまで1週間くらいかかることも。市販の薬では改善しないため、割と毎回病院を受診しますし、家族総出で病院に行くこともあります」 1~2か月に1回は病院へ行き、常に何かしらの薬を飲んでいる気がするときもあるほど。そんな梨花さんが一番つらかったのは、子どもの風邪がきっかけで喘息になったことでした。「子どもからもらった風邪は、熱が37度台でもきつく感じることがある」と、梨花さんは言います。 また、12歳と10歳、4歳の3人の娘さんを育てている安藤由紀さん(仮名・30代)家族も、子どもたちが学校などで感染症にかかり、最終的には全員体調を崩してしまった経験が多々あるといいます。 「子ども→夫→私の順で風邪がうつることが多いです。みんなの看病をしているときはやることが多くて気を張っているけれど、一段落した頃に気が抜けて体調を崩します。治さなきゃと思う焦りが、逆効果になっている場合もあるかもしれません」 とくに、家族全員でインフルエンザや胃腸炎になってしまったときが「一番きつかった」そうです。「保育園や学校で流行している感染症がうつると、よりきつい気がします……。けれど、娘は42度の熱を出してもケロッとテレビを観ていたりするので、びっくりしますね」と、大人と子どもの違いに驚くこともあるようです。