日本人女子プロが海外メジャーで活躍できている要因は?【女子プロのツアーコーチ座談会・24年振り返り③】
柳橋: そのデストロイヤーが渋野選手だったわけですね。彼女はナショナルチームでも何でもない選手だったのに、そこからいきなり。 森: だからよけい同世代の脳の中では「自分もできる」という思考が強い。 大西: 渋野選手や畑岡選手、勝選手をはじめとする黄金世代というのは粒が揃っているというか、彼女たちは宮里選手を見て育った世代。 中村: そう。それが今度は渋野選手を見て育った世代というのが今ドンドン上がってきて、それが竹田麗央選手や川﨑春花選手、桑木志帆もそうだし。よく、20年前と今では選手が得る情報の量や質が違うという意見もあるけど、そういう側面より、森さんが言うように、そういった流れのほうが強いかもしれない。技術的に突然、メジャーに勝てる選手が出てきたってわけじゃないということですよね。 森: そう、以前と今で技術の差はないと思いますよ。昔から、ジャンボさん(尾崎将司)もいたし岡本綾子さんもいた。僕らコーチからみるとシンプルに意識の改革のほうが大きいと思います。自分もできるというか。 中村 たしかに多くの選手はアメリカやスウェーデンといった技術的に先進国といわれる国から直接情報を集めてはいないですからね。
森: トラックマンをはじめ、弾道計測器を使用している女子プロは多くて、自身でスウィングを分析したりしているのは凄いですよね。 中村: トラックマンを使用している選手といえば、山下選手が有名だけど、彼女は小さい頃から振れていたらしいね。スウィングを直したというんじゃなく、最初からああやって振れていたらしい。 森: だから彼女を見ていると答えが出ている。『レッスンは要らない』って。 大西: そうですね。だから彼女はお父さん以外のコーチをつけてレッスンすると下手になるはずです。出来ている子を教えると、ろくなことはありませんから。 森: だから僕らの仕事は、出来上がっている選手に変なコーチを近づけさせないということ。だって山下選手はお父さんと一緒にやって日本で一番良いスウィングになったわけだから。竹田選手もお母さんが見て、お母さんはプロだけど、無駄なことをしていないし、余計な情報を与えていない。それで凄くいいスウィングしているじゃない。 大西: そうですね。 森: トップ選手なんてスウィングのことなんてあまり考えていないじゃん。今は「情報が多すぎて気を付けないといけない」という時代です。情報を選択する時代だから。 柳橋: YouTubeがあれだけ氾濫していて、それで何をやっていいんだかわからなくなったっていうアマチュアの人がよくいますけど。でもプロでも同じことが起きる可能性もあるわけですよね。 === 座談会の第1話、第2話は関連記事にありますので、そちらも是非ご確認ください。
週刊GDツアー担当
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