〈体験談〉更年期症状は千差万別。私の更年期は些細なイライラ&落ち込みから始まった!
40代後半に突入し、心も体も不調な日が増えた。でもこれって何?病気?更年期?それとも気のせい?そんな不安や葛藤、やりきれない気持ちを抱えているのは、あなただけではありません!ライター山田メノポさんによる連載「更年期ing(アイエヌジー)」では、更年期と今まさに向き合っている方からすでに乗り越えた方まで、さまざまな人の「更年期との付き合い方」「更年期を過ぎた、今」を取材します。第一回目となる今回は、山田メノポさん自身の体験をご紹介! ーーーー 女性なら誰しも一度は通るであろう更年期。自覚症状がないから私には更年期なかったかも、などという人もいますが、一般的に更年期とは、全女性に平等に訪れる閉経前後約10年間のこと。その時期の症状の有無が人それぞれなだけなんです。 普段、私は更年期と全く関係ないジャンルでライターをしていますが、ここ数年さまざまな症状に悩まされ、もはやこれがライフワークかと思うほど、常に更年期のことで頭はいっぱい。その中で、一番知りたかった情報や助けになったものは、経験者の体験談に多かったため、これは私もぜひ発信して、悩める更年期レディたちのお役に立ちたい! という気持ちでこの連載をスタートさせた次第です。 ところでみなさんご存知でしょうか。アンミカさん風に「更年期って200色あるんやで?」と言いたくなるほど、その症状は人によって千差万別なことを。そこで今回は自己紹介を兼ねて、私の更年期症状の中でも、長らく悩まされてきたココロの症状のお話ししたいと思います。 〈写真〉更年期症状は千差万別。私の更年期は些細なイライラ&落ち込みから始まった! ■モヤモヤは性格?それとも…はっきりさせるべく病院へ! 私が初めて更年期を意識したのは46歳。判で押したように規則正しくきていた生理が遅れ始め、些細なイライラや落ち込みが増え始めたことでした。元々、性格的にネガティブ思考なタイプ。このモヤモヤ感が更年期なのか性格のせいなのか判断しづらく、まずはそこをはっきりさせるべく病院へ。 ちなみに相性の良い病院と出会うというのが、これまた難しく、私も何軒か病院ホッピングをする羽目に。最初の病院は、おじいちゃん先生の大声が待合室にダダ漏れという、プライバシーゼロの町医者。2つ目はスーパードライな若い女医さんが、機械的にホルモン療法か漢方をお勧めしてくるスタイル。3つ目が現在も通う新しめのレディースクリニックで、ここでようやく血液検査の結果、49歳にして身も心も更年期という認定を受け、ホルモン療法をスタートしました。 さて、更年期症状とわかった私のココロの不調ですが、メインは家庭内のイライラ! 特に夫には24時間イラつきっぱなしでした。洗濯物をすぐに片付けないレベルの小さなことでもイライラが止まらず、キレては揉めるというパターン。これがマックスに達すると私の中の悪魔が登場し、夜な夜なネットで旦那デスノート(旦那の悪口の掲示板サイト)を読み耽ったり、時には怒りを爆発させ、旦那の代わりにクッションをぶん回して発狂する、みたいな1人デスマッチを繰り広げたことも。 また、落ち込みも普段より何倍も激しく、愛犬がトイレの粗相をしたくらいのきっかけで、「どうして粗相するんだろう?」「てかなんで私ばっかりこんな目に!?」「もう消えてしまいたい!!」といったような謎の思考回路が働き、全てが嫌になってさめざめと泣きながら一日中過ごすという不健全、いやちょっと危ないレベル。 でもこういう時の涙にはデトックス効果が高く、泣いた瞬間はとてもスッキリするので、泣くのはありだと個人的には思っています。 幸い、涙以外にもこういったココロの症状を緩和する方法と出会うことができ、そのひとつが2番目の病院で提案された漢方薬でした。私の場合は精神不安を和らげる加味逍遙散と、イライラを落ち着かせる柴胡加竜骨牡蛎湯を処方されました。実はあまり劇的に効いてる実感はなかったのですが、飲むのをやめると前よりもイライラが増え、ああ効いてたんだとまた飲み始めるという繰り返し。 3つ目の病院で始めたホルモン療法のパッチは、どちらかといえばカラダの症状により効果的でしたが、感情の爆発や絶望の回数も確実に減りました。何よりここの病院の先生が、割とカジュアルなノリだったのも私の治療には功を奏した気がします。ボロボロの状態で病院に辿り着いた私に「いや~ガッツリ更年期だね。2年間よくこの漢方だけで頑張ったねーアハハ!」と笑い飛ばしたり、治療を始めてしばらくしてもまだイライラがあると伝えたら、「おかしいなー、パッチはそろそろ効くはずだから、それは性格だったりしてねー」と言い放ったり、なんというかあまり繊細ではないタイプ。終わりの見えない更年期に思い悩んでいた当時の私には、あんまり大したことないのかも?と思えるくらいラフな対応の方が、気持ちを楽にしてくれたようです。 さらにとても心強かったのは更年期症状の経験が豊富な友達。似た症状があったと聞くだけで「自分だけじゃない!」という安心感が高まり、その人なりの解決方法が参考になることも。同じ理由で、ネットでの更年期体験談もありがたく読んでいました。たくさんの人の話を読めば読むほど、それぞれによって治療法もその効果の出方も違って当然なのだとわかり、ひとつがうまくいかなくても他にも方法があると思えます。 また、よく言われる「体を動かすこと」というのもココロの症状には効き目抜群。私が日々行っていた愛犬との散歩や月数回のピラティス程度でも、終えると単純にスッキリするし、体を動かしている間は余計なことを考えずに済みます。 ■コロナ禍に家族の病気・怪我と更年期が重なり… 反対に、症状の悪化を後押ししたものもあり、私の場合は主にコロナ禍と家族の病気や怪我が重なったこと。コロナ禍は人と会いづらくて気分転換しにくかったり、いつもより気をつけることが多くて精神的に疲れたりと、症状を和らげにくい要素だらけ。またそんな時に、家族の介護が立て続けに起こり、体も心も一杯一杯になって心は絶不調でした。こればっかりは避けようがないので仕方ないのですが、こういう時にも短時間で気持ちを切り替えてリフレッシュできる術を持っていると、随分違うかもしれませんね。 現在の私はホルモンパッチのおかげで、心身ともに症状は随分と緩和され、一時期は夫婦の危機さえ感じた夫へのイライラも軽減されています(夫がどう思っているかは知りませんけど)。このパッチのおかげで一番明確に減ったホットフラッシュを始め、私のカラダに起こった更年期症状に関しては、次回の後編でまた詳しくお伝えしたいと思います。 ライター/山田メノポ 更年期歴5年のアラフィフライター。出版社勤務を経て、ファッションやライフスタイル誌の編集やライティングなど、フリーランスとして活動。本業の傍ら、更年期症状という同じ悩みを持つ人に、リアルな声と情報をお届けするべく奮闘中。趣味はネットでセレブのゴシップと発言小町を読み耽ること。
山田メノポ